海外旅行に出かける際、あれもこれもと荷物を持っていきたいところですが、飛行機に積むことができる荷物には上限があることをご存知でしょうか。制限を超えてしまうと追加料金が必要になってしまったりするので、荷造りの際には重さや大きさも考える必要があります。
ここでは飛行機に乗せることができる荷物の重さや大きさ、上手に荷物を載せるためのポイントなどについてご紹介したいと思います。
飛行機に載せる荷物の種類は2つある
まず、飛行機に荷物を載せる手段には2つの方法があります。「機内持ち込み手荷物」と「預け荷物」というもので、それぞれの違いからチェックしておきましょう。
機内持ち込み手荷物
機内持ち込み荷物とは、飛行機の客室まで持っていける荷物のことを言います。貴重品や簡単な身だしなみ用品・壊れやすいもの・電子機器などを持ち込むのが一般的です。
客室内の荷物入れはスペースが限られていますから、持ち込める荷物も1つまで(ビジネスクラスやファーストクラスは2つまで)で、重さはおおむね5~10kg程度までとかなりシビアです。 持ち込めるスーツケースのサイズなどについてはこちらもご覧ください。
預け荷物
預け荷物とは荷物を飛行機内に持ち込まず、チェックインカウンターで荷物を預けることを言います。受託手荷物とも言います。荷物は飛行機の貨物室でまとめて管理されるため、預けてから目的地の空港に着くまでは、取りに行ったり中身を開けたりすることはできません。着替えや生活用品など、貴重品ではないものなどを大きなスーツケースの中に入れて預けるのが一般的です。貨物室はスペースが広いため、機内持ち込みより大型で重い荷物でも預け入れることができます。
預け荷物には一定の制限がある
預け荷物は機内持ち込み荷物とは違い、より多く重い荷物を預けることもできますが、無制限に荷物を預けることはできません。
航空会社や移動距離・座席のクラスによって違いがありますが、預けることができる荷物には制限があり、制限を超えてしまうと追加料金が必要であったり、大きさや重さによっては「積み込み不可」という場合もあります。
海外旅行初心者が引っかかりやすいこととしては、1つのスーツケースに荷物を入れ過ぎて重くなってしまい、チェックイン時に追加料金を支払わなくてはならないケース。海外旅行へ行く場合は制限内で荷造りをすることで、追加料金を支払わずに預けることができます。
一般的には個数制限・重さ制限・大きさ制限の3つがあり、規定の数値を超える場合は、追加料金が必要になります。 荷物の1つが極端に重かったり、サーフボードやゴルフバッグなど、スーツケースとは別の荷物がある場合は、その個数や大きさによっても料金がかかる場合があります。
預け荷物の無料範囲(一般的な航空会社の場合)
一般的な航空会社(LCCではない)で、国際線利用時の預け荷物の無料範囲は以下のようになっています。
エコノミークラスの場合
エコノミークラスは23kgの荷物なら2個まで無料で預けられます。目的地までの距離が短い場合は32kgまでで1個までのルールになっている場合もあります。
ビジネス・ファーストクラスの場合
ビジネスやファーストクラスでは、エコノミークラスより無料で預けられる荷物の範囲が広くなります。(高い航空運賃を払っているので当たり前のことですが・・・)同じく目的地までの距離が近距離の場合は上記より少なくなる場合もあります。
※上記はあくまで一般的なルールです。座席クラスもそうですが、会員のレベルや距離などによっても無料預け入れの範囲は変わりますのでご注意ください。
LCC(格安航空会社)の預け荷物は1つから別料金になっている場合が多い
近年では運賃が安くて人気のLCC(格安航空会社)ですが、LCCの場合は無料の預け荷物の範囲がなく、預け荷物がある時点で有料というケースも多くあります。
多くのLCCでの標準運賃プランでは、受託手荷物の料金が含まれていないのが一般的です。要は手ぶら(機内に持ち込める手荷物だけ)なら無料であって、スーツケースなどの荷物を飛行機に預けたい場合は少量でも追加料金がかかるシステムです。
時期によっては数千円でのチケットも発売されており、「本当にこんな値段で飛行機に乗れるの?」と思いがちですが、荷物は別料金というカラクリがあるわけです。
しかもこの追加料金がかなり割高であり、例えば標準的な20kgの荷物を預ける場合、距離にもよりますが事前予約による申し込みなら3,000~6,000円程度かかります。当日に空港で申し込む場合はさらに手数料(2,000円程度)がかかります。
また機内持ち込み手荷物の制限も厳しく、少しでも超過するとチェックイン後でも搭乗ゲート前に強制的に預け荷物にされてしまうこともあります。アジアならまだマシですが、遠方の場合は超過料金に1万円以上請求させることもあるため、LCCの場合はシビアに荷物の重さと大きさに注意しましょう。
エコノミークラスの場合、預け荷物1つあたりの重さに注意する
エコノミークラスは預け荷物1個当たりの重さ制限が23kgとかなりシビアです。これはスーツケースの重さも含んでになりますから、スーツケースの重さを考慮すると、実質は20kg前後の荷物しか入れることができません。
「スーツケースを2つにするのは持ち運びに手間がかかるし、1個にするから23kg超えても問題ないのでは?」と思い荷造りする人も多いようですが、無料で預かってもらうにはたとえ荷物が1つになっても荷物1つは必ず23kg以内にしないといけません。
SサイズやMサイズのスーツケースでは、よほど重いものを入れない限り23kgを超えることはありませんが、LやLLサイズでは入れ方によっては23kgを超えてしまう場合があります。
エコノミークラスは23kgまでなら2個まで無料で預けられますが「スーツケースを2つにするのは持ち運びに手間がかかるし、1個にするから23kg超えても問題ないのでは?」と思い荷造りする人も多いようです。しかしたとえ1個であっても23kgを超えると超過料金がかかってしまいます。「荷物が1個だから負けてよ」というのは通用しないようです。 ですから長期旅行で1つのスーツケースにする場合は更に注意が必要です。
預け荷物の超過料金や追加料金はどれくらい
もし預け荷物の重量や大きさ、個数の制限を超えてしまった場合でも、追加料金を払うことで載せてもらうことができます。
航空会社によって違いはあるものの、制限を超えるとかなり高額になります。せっかく安い航空券を手に入れたのに、荷物の追加料金で酷い目にあったという声もあるので、よく注意しておきましょう。
個数の超過
荷物1個当たり10,000円~20,000円程度(距離による)
重量の超過
23kg超~32kgまで:5,000円~10,000円程度(距離による)
32kg超~45kgまで:20,000円~60,000円程度(距離による)
※行先によっては32kg超の荷物の預けが不可能な路線もあります。
サイズの超過
三辺の和が203cm以上:10,000円~20,000円程度(距離による)
宅配便などを利用するときは1kgごとに○○円という具合に超過していきますが、預け荷物の場合は1kg超えようが10kg超えようが価格は一緒なので注意してください。たった1kg超えただけでも5,000円~10,000円程度の超過料金がかかります。尚、32kgを超えると極端に追加料金が高くなりますし、原則として荷物1つあたりの重さが45kgを超える荷物を預けることはできません。 また、追加個数も1人当たり5~7個程度と決まっているので、「お金は払うから10個面倒見て~」というのもダメなようです。
特殊な大型荷物は預けられる?
サーフボードや自転車など特定の大型荷物については、無料の手荷物制限には含まれる場合とそうでない場合があり、別途追加料金が必要になるケースもあります。
追加料金は距離によって価格は違いますが、だいたい10,000円~20,000円程度が相場なようです。 そのほか特殊な大型荷物や楽器などは、あらかじめその航空会社に確認してみるのがいいかと思います。場合によっては直前で拒否される可能性もあるのでしっかり確認しておきましょう。
現地でゴルフやマリンスポーツなど、大きい荷物を持っていく場合は要注意です。
ベビーカーは追加荷物の範囲外なので無料で預けられる
ベビーカーは預け荷物制限の対象からは外れているので、通常の預け荷物とは関係なく無料で預けられます。これはLCC(格安航空会社)であっても無料で預けることができるケースが多いため、ベビーカーについては心配しなくても大丈夫でしょう。
ただし、子連れでそのベビーカーを使うことが前提です。単にベビーカーを荷物として運ぶ場合(例えば子連れではなく、単に日本でベビーカーだけを買って、外国にいる人にプレゼントする場合など)は対象外となるので注意しましょう。
預ける直前に荷物を2つに分けると効果的
エコノミークラスの場合は23kg以内で2個までは無料で預かってもらえるとはいえ、単身でスーツケースを2つ持って歩くのは大変です。できれば大きいスーツケースに30kgくらい詰め込んででも1つにまとめたいですよね。
ここで1つ裏技をご紹介いたします。薄手で折りたためるボストンバッグを別で用意しておき、チェックインの直前で1つの荷物の一部(着替えなどが望ましい)をボストンバッグに入れて預けます。スーツケース1つの重さが30kgであっても、7kg分だけボストンバッグへ入れてしまえば、23kgのスーツケースと、7kgのボストンバッグになり、無料の範囲で預けることができます。
目的地に到着したら、また1つにしてしまえば移動も楽です。これは帰りのお土産を買った際にも役立ちますので、是非折りたためるボストンバッグを用意しておきましょう。
海外旅行などで飛行機に乗せることができる荷物の重さや大きさについてまとめ
- 預け荷物であっても重量や大きさに制限がある
- LCCは無料の制限がなく、1つ目から預け荷物に料金がかかる場合も
- 制限を超えると追加料金がかなり高い
- エコノミークラスは1個23kgなので、詰めすぎると簡単にオーバーする
- 特殊な大型荷物は追加料金が発生する場合がある
- 重さの制限を超えないように荷物を分散させて預けるとよい
無料で預けられる範囲は行き先や座席のクラスによって制限は変わってくるので、事前にどれくらいまでならOKなのか調べておくようにします。万一に備えて荷物が分散できるように、かさばらないボストンバッグなどを準備しておくとよいでしょう。上記を参考に上手に荷物を預けられるようにしてください。