海外旅行へカメラを持っていく注意点や撮影のマナーについて

海外旅行へカメラを持っていく注意点やマナーについて

海外旅行では日本と違う見慣れない景色に、ついついシャッターを切っていろんな場所を撮ってみたくなりますね。しかし、海外では撮影が厳しく制限されている場所もあるので、うっかりが大変なことになる場合もあります。ここではマナーも含めて海外旅行へカメラを持っていく注意点やポイントについてご紹介いたします。

海外旅行にはどんなカメラがおすすめ?

海外旅行の思い出や景色を写真に収めると言いましても、どんな場所に行くかによって適合するカメラは違ってきます。絶景や美しい風景、建物などを高画質で撮りたいときは大型の一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラがおすすめですし、単にグルメや買い物スポット中心に回るのであれば、コンパクトデジカメやスマホのカメラでも十分と言えます。

海外旅行へもっていくカメラの種類

デジタル一眼レフやミラーレス一眼カメラ

いわゆる「画質重視」の本気カメラですね。交換レンズなども準備すればさまざな被写体やシーンに対応でき、旅で見たもの、感じたものをそのまま高画質で記録できることでしょう。美しい景色の観光地など、風景や街並みなどを楽しむ海外旅行にはぴったりです。

デメリットとしては極力荷物を少なくしたい海外旅行にとっては場所を取ってしまいますし、また盗難のリスクや取り扱いにも注意しなければなりません。

「海外旅行のために一眼レフカメラを買う」というのであれば、できるだけ早めに購入し、使い方などをしっかりとマスターしておきましょう

敷居が高かった高画質カメラですが、近年では手ごろな価格で購入することもできます。

コンパクトデジカメ

通称「コンデジ」と呼ばれている部類のカメラです。コンパクトデジカメは種類や価格帯の幅が大きく、安いものは数千円から高いもので数万円するようなものまでさまざまです。携帯性と画質のバランスがよく、高価なものほど一眼レフ並みの画質で撮れるようなものもあります。
レンズ交換などが不要で、カメラに詳しくない人でも扱いやすく、小さいため荷物にならないといったメリットがありますが、安いものはスマホのカメラと大して画質が変わらないため、中途半端になりやすいのがネック。「それほど画質にはこだわらないけど、しっかりと旅の記録を残しておきたい」人向けです。

スマートフォンのカメラ

最も手軽なのはスマートフォンのカメラで撮影してしまう方法です。あえて海外旅行にカメラを持っていく必要もなく、荷物にならないのが最大のメリットです。最近のスマートフォンのカメラは画質も向上しているため、下手なコンデジよりも美しく撮れる機種も多くあります。
「画質よりも気軽に旅の記録をしたい」人向けで、いつでもどこでもサッと撮影したい場合は、スマホのカメラ機能でも十分と言えます。

三脚はどんなものを準備すればよい?

海外の美しい夜景や風景を撮影するなら三脚は欠かせません。スマホのカメラで撮る場合は特に必要ありませんが、夜景などを一眼レフカメラややコンパクトデジカメを使ってスローシャッターで撮るには三脚が必要になります。
とは言いましても大型の三脚では海外旅行の邪魔になってしまいますし、飛行機に預けるときも大変です。できれば脚が何段にも収納できる「トラベル三脚」や、脚が自由に曲がる「フレキシブル三脚」が便利です。是非チェックしておきましょう。

海外旅行へ持っていく三脚の種類

充電器や予備のSDカード、バッテリーなども忘れずに

海外へ行く場合はデジタルカメラのほか、充電器や予備の充電池、記録用のSDカードなども忘れないようにしましょう。現在発売されている大半のデジタルカメラの充電器は、海外でも使えるように200Vにも対応しています。コンセントのプラグの形状が違う場合があるので、プラグアダプターを準備するようにしてください。

カメラやレンズなどは飛行機の中に持ち込むこと

カメラや交換レンズは精密機械になるので、雑に扱われる預け荷物の中に入れてしまうと破損や故障などトラブルの原因になります。機内で使う必要がなくても、カメラやレンズ類は手荷物として飛行機の中に持ち込むようにしてください。
また、充電池などのリチウムイオン電池は預け荷物にすることができません。アクセサリ類も含めて手荷物として飛行機の客室に持ち込みましょう。

カメラやレンズ電池はスーツケースの中に入れない

撮影禁止場所に気を付ける

機材もしっかり準備し、いよいよ現地に到着してバシバシ撮影…と張り切っているかと思いますが、日本でも「撮影禁止場所」というのがあるように、海外でも撮ってはいけない場所や物、人があります。
日本では屋内の施設や展示物などが撮影禁止になっていることが多いですが、海外では屋外でも撮影禁止場所が多く、場合によっては写真を撮っただけで逮捕されるケースもあります。

海外でも観光地などでは撮影禁止マークが表記されているため、素人でも容易に判断がつきますが、街中ではそのようなマークがないため注意してください。まずは以下のようなポイントは特に気をつけましょう。

軍事施設

海外の軍事施設は特に要注意で、外国人であっても下手をすると拘束・逮捕される場合があります。何気なく景色を撮っているつもりでも、偶然軍事施設が写っていたりしても、指摘を受ける場合があるので気をつけてください。日本の自衛隊の設備を撮るのとは訳が違いますので、興味本位で撮影しないようにしましょう。

空港・駅・港など

空港や駅構内も場所によっては撮影を禁止している場合があります。記念的に1~2枚撮るのならともかく、あちこち撮りまくっていると、警察や警備員に目を付けられる場合もあります。特に航空ファンや撮り鉄の方は要注意です。

政府の建物や警察署

軍事施設ほど厳重ではありませんが、警察署や政府管轄の建物などを撮影すると、スパイや犯罪者と間違われることもありますので注意しましょう。観光地化されている文化財級の建物であれば、政府の建物でも撮影が可能な場合もあります。

国境やその周辺

国境付近の建物は撮らないようにしましょう。入出国ゲートや橋なども注意してください。

道路や橋など

高速道路や橋梁なども、滑走路の代わりとなる場合があるので、近寄ってあまり撮らない方がよいでしょう。スナップ撮影や風景の一部にしてしまう分はそれほど問題ありません。 マニア的にバシバシ撮るのは要注意です。

美術館・博物館などの撮影禁止場所

これは日本国内でも同じことが言えますが、一部の美術品や展示物などが撮影禁止になっていたり、場合によっては建物ごとNGという場合もあります。撮影OKでもフラッシュが禁止されていることもあるので、うっかり光らさないように注意してください。

寺院・教会・宗教施設など

一般的に観光地化している施設は撮影OKの場合が多いですが、それでも一部分が撮影禁止であったりしますのでご注意ください。観光地化されていない施設は事前に聞いてみた方がいいでしょう。

知らない人物は勝手に撮らないように心がけよう

どこでも人物を故意に撮ることは好まれません。特に中東の女性や一部諸国の少数民族など、興味本位で撮るとトラブルになるケースも報告されています。撮影をする場合は撮ってもよいかを本人に聞いてから撮影するようにしましょう。人物を主題にして撮影する場合は要注意です。

日本では当たり前となっている、ブラブラ街中を歩きながら撮影する行為。海外ではあまり歓迎されず、街中であっても撮影していると警察官などに呼び止められる場合があります。 特に観光地化されていない場所で日本と同じ感覚であちこち撮影するのは控えた方がいいと言えるでしょう。 どうしても撮影したい場合は、撮影前に付近の警察官に聞いてみたり、ホテルで確認するようにしてください。

フラッシュ・ストロボ禁止にも気を付ける

撮影が禁止されていない場所でも、フラッシュ(ストロボ)の使用には注意やマナーが必要です。これは日本でも同じことが言えますが、博物館や美術館などは展示物を光で傷めてしまう可能性があるので、ほとんどの場合フラッシュ禁止です。

また、動物園や水族館などでも動物に悪影響が出るため、フラッシュを禁止しています。フラッシュ禁止をしていない場所でも、場のムードを壊すような(例えば暗い雰囲気のカフェなどで堂々とフラッシュを使うなど)場合はフラッシュを控えるようにしましょう。

最近ではカメラの性能が上がり、少々暗い場所であっても高感度撮影ができるので、はじめからフラッシュを使わないような設定にしておいた方が安心です。オートモードなどで撮影すると、フラッシュを使うつもりでなくても、自動的にフラッシュが使用されてしまうので要注意。フラッシュは自動的に使わない設定にしておくことがミス防止に役立ちます。

置き引きやスリ、ひったくりに注意

ヨーロッパやアジアなどを中心に海外では旅行者を狙った置き引きやスリ、ひったくりが横行しています。

最近のスマートフォンのカメラは高画質・高機能化が進み、海外旅行でもスマホのカメラで撮影する人も多いのではないでしょうか。スマートフォンを狙ったひったくりも多いので、撮影する時は注意してください。スマートフォンケースにワイヤーやひもを取り付けておくだけでも防犯効果が増します。新型のiphoneなどが狙われやすいので、そのまま撮影する場合は特に気をつけてください。

大型の一眼レフカメラや高そうなコンデジは、普段はできるだけカバンなどの中に入れて、周りに見せないようにすることが大切。また、その辺にカメラを置きっぱなしにすることも厳禁です。首掛けストラップなどを使って、体から離れないように対策しましょう。

自撮り棒を禁止している場所も多い

スマートフォンで手軽に自分と景色の写真が撮れる自撮り棒。非常に便利で、爆発的に普及しています。
しかし、普及するにしたがってマナーの問題やトラブルも多発し、社会問題化し始めています。日本の施設も含めてそうですが、海外でも自撮り棒の使用を禁止している動きが出ていますので注意してください。海外ではテーマパーク、動物園、美術館・博物館、イベント会場、リゾート地などで、自撮り棒を禁止している施設があります。

混雑した街中でも使用すると注意されることがあるので、自撮り棒を使うときはくれぐれも注意してください。どうしても自分を入れて撮る場合は、「三脚で堂々と撮る」、「周りの人にお願いして撮ってもらう」などの方法があります。そもそも自撮り棒が普及する前は、このような方法で撮影していましたし、お願いすることで人と人とのコミュニケーションも生まれます。

撮影禁止かどうかはとにかく聞いてみることが大事

明らかに写真撮影禁止と表記してある場所は別ですが、場所的に「う~ん微妙・・・」という場所もありますよね。そんな場合は周りの人や係員などに遠慮せずに聞いてきましょう。「OK」と言われれば儲けものですし、「No!」と言われたら撮らなきゃいいだけの話です。

便利な英会話としては・・・

ここで写真を撮ってもいいですか?
May I take pictures here?

というフレーズがあります。

しかし、カメラを少し上にあげて「OK?」と聞くだけでも、相手に伝わりますので、それのほうが手っ取り早いですね。

私の写真を撮ってくれませんか?
Could you take a picture of us please?

これで相手に自分たちの写真を撮ってくださいとお願いできます。自撮り棒が使えない場所で自分の写真を撮ってもらう場合は、このようにしてお願いしましょう。

最近ではスマートフォンで高性能な翻訳アプリがあるので利用してみるとよいでしょう。

辺りを見まわして、写真を撮っている人がいないか確認する

写真を撮っていいかどうか聞くにも勇気がいりますよね。そんな場合は辺りをキョロキョロ見回してみましょう。あちこちで写真を撮っている人を見かけたら、そこは撮影禁止ではない可能性が高いと言えます。確実とは言えませんが、観光地などを訪れるときは、周りに合わせることが一番です。

海外旅行へカメラを持っていく注意点や撮影のマナーについてまとめ

  • 用途に応じたカメラを準備することが大切
  • 三脚は持ち運びのしやすいトラベル三脚などがあると便利
  • カメラやレンズは必ず飛行機の中に持ち込むようにする
  • 海外では観光地以外の場所での撮影は要注意
  • フラッシュははじめから使わない設定にしておくのが吉
  • 最新のスマートフォンはひったくられないように注意
  • 高そうなカメラは撮影時以外はバッグに入れる
  • 撮影中は肌身離さずカメラを持っておく
  • 自撮り棒は海外でも禁止している場所や施設が多い
  • 迷ったら周りの人や係員に撮影可能か聞く

日本では空港や駅などを撮影しても何も言われませんが、海外ではかなりシビアです。特に軍事施設を撮ると観光客でも捕まる恐れがありますので、観光地以外の場所での撮影は要注意です。また、フラッシュなど基本的なマナーは日本と同じですので、時と場合を考えて使うようにしましょう。