海外旅行などで起きる時差ぼけの原因と対策

海外旅行の時差ぼけ対策

海外旅行で多くの人が経験する時差ぼけ。せっかくの海外旅行で張り切っているのに、昼間は頭がぼーっとしたり、夜は逆に眠れなかったりと、体にさまざまな不調が現れます。ここでは海外旅行での時差ぼけが起こる原因や軽減方法などをご紹介したいと思います。

時差ぼけとは

時差ぼけとは、実際の昼夜と体内時計の昼夜が狂ってしまうことにより発生します。人間の体は、一定の生活リズムで過ごすことができるように、体内に見えない時計を持っています。夜になれば眠くなりますし、朝になれば目が覚めて活動ができるように、決まった時間に活動のON、OFFが自動的に切り替わります。

しかし海外旅行などで時差がある地域へ短時間で移動してしまうと、実際の時間と体内に刻まれている生活リズムの時間が一致しないため、頭がぼ~っとしたり、疲れっぽくなったり、何らかの体の不調が起こりやすくなります。この不調の総称を時差ぼけと呼んでいます。

時差ぼけは海外旅行をしたときだけでなく、日本国内にいるときでも起きてしまうことがあります。例えば普段夜勤をしない人が急に夜勤をしたり、昼と夜の生活を急に逆転させると似たような症状になります。

海外旅行の場合は日本と4時間以上の時差がある地域へ行く場合に、この時差ぼけに注意しなければなりません。

時差ぼけの主な症状

時差ぼけは生活リズムの違いによる体の不調の総称であるため、人によってさまざまな症状が現れます。時差ぼけの代表的な症状としては以下のようなものが挙げられます。

  • 寝不足のような感じで頭がぼーっとする
  • 眠気であくびが止まらない
  • 頭痛や吐き気がする
  • 疲れた感じ・だるい・体が重い
  • 食欲不振
  • 集中力や判断力の低下

よくある症状としては、「昼間とても眠い・夜寝られない」というのがあり、続いて「倦怠感」や「疲労感」、「頭がボーっとする」ような症状が現れます。人によっては頭痛や吐き気などの症状が出る場合もありますが、時差ぼけの症状は個人差も大きいと言われています。

時差ぼけの症状

こんな状態ではせっかくの海外旅行も楽しさが半減していしまいますよね。時差ぼけは現地に訪れた初日、2日目がとても辛く、だんだん現地の時間に体が慣れてくると症状が改善していきます。完全に現地の時間に順応するには4~7日程度かかると言われていますが、体がようやく現地時間に慣れた頃にまた帰国となりますから、今度は日本の時差ほけとの戦いになります。

このように海外旅行と時差ぼけは切っても切れない縁であり、いかに時差ぼけを軽減するかが海外旅行を楽しむカギになるとも言われています。

時差ぼけの症状が出やすい人とは

時差ぼけには個人差がありますので、症状が出やすい人と、そうでない人がいます。

毎日決まった時間に起きて、決まった時間に寝るなど、規則正しい生活をしている人ほどなりやすいと言われています。これは体内時計が毎日の生活リズムに慣れきってしまっているため、急に時間を変わっても、体内時計の修正に時間がかかることが理由です。

規則正しい生活をしている人ほど時差ぼけになりやすい

逆の仕事の中に夜勤があったり、起きたり寝たりするリズムが不規則な人ほど、体内時計の修正が早い傾向があるため、時差ぼけになりにくい(なっても早く修正できる)と言われています。深夜の夜勤シフトなど、24時間体制で仕事をしている人が有利と言えるでしょう。

しかしこれも個人差が大きく、普段夜勤をしている人でも時差ぼけになる人はなってしまいますし、海外旅行などは別・・・と思う人もいるでしょう。

時差ぼけは「病気」ではなく、正常な人なら必ず通る道なので、時差ぼけをしっかり受け止めることも大切です。

時差ぼけは日本と4時間以上時差がある地域で起こりやすくなる

時差ほけは日本と4時間以上時差がある地域で起こりやすくなります。緯度ではなく経度の違いで時差が起きますので、単純に飛行機に乗った時間や距離では割り出せません。

時差が4時間以内の海外旅行先と言えば、台湾・韓国・中国・東南アジア諸国が代表的です。またかなり遠くに感じるオーストラリアやニュージーランドは日本と経度が同じなので、時差ぼけはほとんど起こりません。

要注意なのはヨーロッパやアメリカ、ブラジルといった日本の反対側ですね。昼夜が逆転するので「朝に日本を出発して12時間経つのに、また朝が来た」という具合になり、体がおかしくなってしまいます。

西回りより東回りのほうが時差ぼけになりやすい

人は24時間よりも長いリズムの方が合わせやすいという性質があるため、日の出に逆らって飛ぶよりも、日の出に追いつかれる形で移動するほうが時差になりにくいそうです。

ルートによる時差ぼけの影響

例えばヨーロッパへ向かう場合、日本を朝7:00に出発したとします。フライト時間はおよそ12時間程度なので、到着する頃には日本時間の19:00頃になります。しかし、ヨーロッパの時間ではその日の14:00頃(昼過ぎ)になるので、「やけに長い昼だなあ」と感じるはずです。

初日のホテルで寝る頃になると、日本時間ではすでに深夜になっているため、かなり眠いと思いますが、その日はぐっすり眠れることでしょう。このようにヨーロッパへ行くと、昼が少し長いと感じるだけで、体内時間を合わせやすいと言えます。

それでは、東回りでハワイへ行く場合を考えてみましょう。ハワイへの直行便は夜出発が多いですから、仮に日本を夜19:00に出発したとします。ハワイへのフライト時間はおよそ8時間程度なので、到着するのは日本時間の午前3時です、当然寝ている時間ですよね。ところが現地時間では午前8時なので、すっかり朝になっています。言い換えると少し寝たらすぐ朝になるため、ハワイへ来た当日はとても眠くなります。また、その夜になると目が冴えてしまい、なかなか寝付けないという現象が起きます。

このように西回りより東回りの方が24時間が縮んでしまうため、時差ボケになりやすいということがわかります。

現地で時差ぼけを早く改善するには?

残念ながら時差ぼけを治す薬などはないため、自分で努力して体内時計を早く現地時間に合わすしかありません。ですが人間が体内時計を修正するきっかけとなるものがあり、それは太陽光・食事・睡眠の3つと言われています。

時差ぼけの対策

太陽光を浴びると、体が昼だと認識するため、眠気が解消する場合があります。現地に着いて眠いと思ったら、午前中を中心にしばらく日光浴をしてみましょう。それから食事も大事で、朝・昼・晩の食事の時間で人間は体内時計をコントロールします。日中の眠気改善としてカフェインの摂取も有効なので、コーヒーやエナジードリンク、栄養ドリンクなども効果的です。

現地のホテルで寝られなくても強引に寝る・・・というのが鉄則です。お酒が飲める人ならお酒を飲むと眠りやすくなりますし、市販の睡眠改善薬などを使うのもいいですね。

現地に到着するまでにできる時差ぼけ対策

海外旅行に出発するまでに、日本でもできる対策や飛行機の中でできる対策もあります。

日本で寝る時間・起きる時間を現地時間に合わせる

可能であれば旅行の2.3日前から少しずつ寝る時間と起きる時間を現地時間に合わせていきます。普段仕事や家事をしているとなかなか合わすことは難しいですが、出発前日からでも効果はあります。いきなり現地時間に合わす必要もなく、例えば時差が9時間ある場合は、半分の4~5時間だけでもずらして合わせておくと、現地でかなりスムーズに体内時計の調整が行われます。

飛行機の中で現地時間に合わせた睡眠と食事を

機内での食事と睡眠も大事です。朝・昼・晩の食事の時間で人間は体内時計をコントロールします。特に長距離便の飛行機の中では、現地の時間に合わせて食事を提供していますので、しっかり食べるようにしてください。

それから飛行機内ではできるだけ現地時間に合うように睡眠時間を調整します。到着時間が夜なら少し我慢して起きているほうが、ホテルに着いてしっかり寝れます。逆に到着が朝や昼なら、少し寝ておくといいでしょう。とりあえず飛行機に乗ったら、日本の時間を忘れ、現地時間に時計をセットします。現地なら今何時かというのを意識しながら行動すると、体も慣れやすいのではないかと思います。

海外旅行などで起きる時差ぼけの原因と対策まとめ

  • 時差ぼけとは体内の生活リズムと現地の時間のズレから生じる現象
  • 時差ぼけになると眠気や疲労感、頭痛などの症状が現れる
  • 時差ぼけは初日・2日目がとても辛く、徐々に改善する
  • 時差ぼけは個人差があるため、症状がほとんど出ない人もいる
  • 睡眠と起床のリズムが規則正しい人ほど時差ボケになりやすい
  • 西回りより東回りのほうが時差ぼけになりやすい
  • 食事・睡眠・太陽光を現地の生活リズムに合わせていくとよい
  • 本でも現地時間に合わせたリズムを数日前から準備する

アメリカやヨーロッパなど、日本との日の出、日の入りの時間差が大きいほど時差ぼけになるリスクが高くなります。海外旅行と時差ぼけは切っても切れない縁がありますが、上手に克服すれば海外旅行の楽しさも倍増するはず。上記を参考に時差ぼけの症状や改善策をチェックし、楽しい旅行を満喫してください。