海外旅行パックツアーの価格帯の違い

旅行会社のWEBサイトやパンフレットなどを見ていると、同じ目的地なのに旅行代金に大きな違いがありますよね。価格帯の違いは旅行の質や満足度に左右されますが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか。ここでは海外旅行パックツアーの価格帯の違いについてご紹介いたします。

格安ツアー

格安ツアーはその名の通り、費用を安く抑えて海外旅行に行くことができるツアーです。プラン本数や参加人数も最も多く、海外旅行と言えば格安を真っ先に思い浮かべる方も多いと思います。格安といえばHISなどをイメージしやすいですが、実はJTBや日本旅行など大手の旅行会社でも、格安ツアーの旅行ブランドもあり、海外旅行がより身近になりました。

しかし、単に「安く行ける」というだけで安易に申し込んでしまうと、「イメージと違った」、「ちっとも満足できなかった」など、後悔の話も聞かれます。格安ツアーが安い理由は以下のとおり。

最少催行人数が多い

格安ツアーの場合、添乗員1人対して最少催行人数が多いのが特徴です。一般的なツアーの場合は10~20名程度集まれば実施されますが、格安の場合は20~30名以上で実施とかなり大人数です。
大人数になると集合時間に集まらなかったり、トイレ休憩が多くなったり、時間のロスが大きくなります。要は修学旅行や大人数のバス旅行みたいな感じになるわけですね。

無理なスケジュール

旅行先の移動では公共交通(列車など)が使われたり、やたら歩き回ることが多かったり、移動時間が長い割には観光地の滞在時間が少なかったりと、お金のかからない無理なスケジュールを組んである場合もあります。年配者や足が悪い人は厳しい場合も。

客層が悪い(率が高い)

これは一概には言えませんが、格安ツアーは質の高さを求める富裕層はあまり利用しません。どちかというと客層はそれなりの人がツアーに参加します。全員ではないにしても、自分勝手な行動をしたり、周りに迷惑をかけたりする勘違い客が混じるリスクも高くなると言えますね。

ホテルは並みグレードで立地条件が悪いところも

ツアーによって変わるのでこれも一概に悪いとは言えませんが、ホテルは並みグレード(3つ星程度)で、立地場所が観光地や繁華街から離れている郊外の場合が多いです。観光も旅行スケジュールに入っているのなら問題ないですが、自由行動だとアクセスがとても悪かったり、周りに何もなかったりと不便することも。

食事がしょぼかったり、ない場合も

格安ツアーは航空券・ホテル・食事代をできるだけ安くしてツアー料金を抑えているので、食事も豪華でなかったり、朝のホテルビュッフェだけで、あとはオプションで別という場合も。まずい・美味しいは、その国ならではの味もあるので、個人差があるようですが、豪華で美味しい食事は期待しないほうがいいでしょう。

土産物店にやたらと寄らされる

格安ツアーでは観光する時間を削ってでも、土産物店にきっちり時間をとって寄らせらます。格安ツアーでは提携された土産物店に寄る回数、時間がとても多く、これは土産物店から旅行会社に手数料(リベート)が入る仕組みになっているからです。安いツアー料金を少しでも客から回収するためであり、一日に何度も土産物店に行かされます。買う・買わないは自由ですが、これにうんざりするお客も多いようです。

添乗員やガイドの当たりはずれが大きい

一般的にガイド経験が豊富な添乗員は高級クラスの旅行に添乗するため、格安ツアーではベテランの添乗員に当たる可能性は極めて低いです。当たりはずれもありますが、経験が少ない添乗員であったり、下手すると派遣添乗員であったりすることもあります。

飛行機がしょぼい

特に遠方では直行便が少なく、経由便になることも多いです。日系の航空会社ではなく、安い海外の航空会社の飛行機に当たることも多く、空の旅も快適は言えません。座席指定も不可の場合も多いので、別々の席になる可能性も。また、深夜や早朝など人気がない変な時間帯に設定してある場合もあります。

細かいことを言うとまだまだたくさんありますが、ざっとこんなところでしょう。格安ツアーの悪口のようになってしまいましたが、これだけのマイナス面をトータルしても、旅行代金の安さというメリットは大きく、やっぱり格安ツアーは人気があります。

一般ツアー

格安との線引きが難しい所ですが、一般的には格安のワンランク上のグレードということで、価格と旅行の質のバランスが良い一般ツアーと呼ばれています。一般ツアーの特徴は以下のようなものがあります。

最少催行人数が15人前後

ツアーは10~20人程度のやや少人数で行われるため、格安ツアーほど食事やトイレ、集合時間などの遅れは少なく、ツアーに支障が出にくくなります。

ホテルはいくつかの候補から選ぶことができる(場合がある)

ホテルは高級グレード(星5)から一般グレード(星3)程度まで、いくつか選択肢があり選ぶことができます。予算に合わせて立地やグレードを選ぶことができるので、安心で便利と言えるでしょう。

食事はご当地グルメや美味しい料理が多い

食事もそれなりに予算を回しているので、格安ツアーと比べると豪華で美味しい食事が提供されます。その土地ならでわのグルメや伝統料理など、食事に関しても満足度が高いと言えます。

土産店に寄る回数は少ない

ツアーによっては全くなかったり、あっても1日1回程度と格安ツアーに比べると土産物店に寄る量は極めて少なくなります。

添乗員の質が良い

添乗員もその旅行会社の社員で、満足度が高い中堅の添乗員になる場合が多いです。

飛行機は格安ツアーとあまり変わらない

旅費の大半は飛行機代によるものなので、一般ツアーでも飛行機はあまり良いものは使いません。乗り継ぎ便だったり、日系でなかったりする場合もあります。しかし、席などは選べることも多くなっています。

旅行代金の大半を占める飛行機の自由度は低いものの、ホテルや食事、観光面での質が良くなっています。予算に余裕があれば、一般ツアーを選んでおいた方がトラブルも少なく快適に旅行を楽しめることでしょう。

高級ツアー

せっかくの海外旅行なら少しでも良いものを… と考えている方は高級ツアーを視野に入れてみましょう。旅費はかさみますが、旅行の質と満足を約束できます。

少人数確約

1人の添乗員に対して参加者が少なく、最高級をうたっているツアーでは、1組に対して専用の添乗員がいる場合もあります。かなり個人旅行に近くなり、周りに気を使うこともなくゆっくり楽しめますね。

ホテルは五つ星高級ホテルが主流

立地条件・評価・治安などすべてのグレードが高い高級ホテルの設定になっていることが多く、最高級な場合はその中でもグレードの高い客室が選択されています。

移動には専用車がある場合も

観光地巡りには専用車がチャーターされている場合もあり、現地ガイドや添乗員に説明を聞きながら施設を移動できます。安全で最も速くアクセスできますね。

食事は厳選された料理が楽しめる

各個人に準備された専用テーブルで食事を楽しめるほか、その国の代表料理や名物料理などが、評価の高い高級レストランで味わうことができます。高級レストランではドレスコードが必要な場合もあるので注意しましょう。

土産物店には基本的に寄らない

こちらから頼まない限り、提携の土産物店に寄らされることはありません。たっぷり観光地巡りを堪能できます。

ベテラン添乗員の素晴らしいサービスが期待でき

積算添乗日数が多かったり、顧客満足度の高い添乗員が優先して選ばれるので、添乗員で失敗するケースが少ないです。ベテラン添乗員の素晴らしいガイドやサービスを期待できます。

直行便や座席指定が可能・ビジネスクラスの場合も

飛行機も厳選されており、日系の航空会社はもちろん、できるだけ直行便を選んで旅行者の負担を軽減しています。プランによってはビジネスクラスで行けるものもあります。

上記の説明はあくまでも傾向なので、例外もある

例えば格安とうたっているツアーでも、ビジネスクラスで行くツアーや、高級ホテルがチョイスできるプランなど例外もありますし、すべての格安・一般・高級ツアーが上記の枠にはまるとは限りません。最近では満足度の高い格安ツアーもありますし、一般ツアーといえども、しょぼいプランなどもあります。

しかし、傾向としては上記のようになりますので、旅行の内容や約束事項、注意点などをよく確認して決めるといいでしょう。

各プランの価格差はどれくらい?

これは利用する時期や飛行機のグレードによってもかなりかわってくるので、一概にどれくらいというのは言えません。一般ツアーが仮に10万円とすると、目安としては以下のようになります。

  • 超格安・激安ツアー:50,000円(ほぼ飛行機とホテル代のみ)
  • 格安ツアー:70,000円(しょぼい食事や観光がプラスされる)
  • 一般ツアー:100,000円(一般的な観光や食事・ホテル)
  • 高級ツアー:200,000円(ハイグレードな観光や食事・高級ホテル)
  • 超高級ツアー:300,000円 (専用車・こだわりのホテル・食事など)

格安では一般ツアーの半分から7割程度、高級ツアーでは2~3倍の相場だと思ってもらえればいいでしょう。もちろん飛行機の座席をビジネスクラスなどにアップグレードさせれば、旅行代金はさらに跳ね上がります。

海外旅行パックツアーの価格帯の違いまとめ

  • 格安ツアーはデメリットと価格を天秤にかけて考える
  • 一般ツアーはトータルバランスが良いので初心者向き
  • 少しでもよい旅の思い出作りなら高級ツアーも視野に
  • プランによってはいろんな内容があるので、一概に区分けはできない
  • 格安は半分、高級・最高級は一般の2~3倍程度の費用

価格帯の違いは単にホテルや料理だけでなく、添乗員の質や旅行内容にも差が出てきます。単に旅費だけで飛びつかず、これらのリスクや特徴を理解してうえで、最適な価格帯の旅行を選ぶようにしてください。