飛行機でのロストバゲージについて

飛行機 ロストバゲージ

みなさんはロストバゲージやディレイドバゲージという言葉を聞いたことがありますか?

飛行機に乗るときに預けた荷物が何らかの原因で自分の手元に届かなくなることで、確率は低いものの、発生してしまうと大変なことになります。

航空会社に預けた荷物がなかなかコンベアから出てこずにヒヤヒヤした経験はあると思います。ここでは飛行機での荷物の紛失や遅延についてご紹介いたします。

空港でチェックインの際に預けた荷物が行方不明になる原因

本来なら空港でチェックインする際に荷物を預ければ、到着した空港で当たり前のように荷物を引き取ることができます。信じられないことですが、稀に荷物が行方不明になったり、自分が乗っていた飛行機に積まれずに遅れて到着するようなこともあります。

タグ付けの間違い

今ではほとんどないと言われていますが、預ける荷物には「タグ」と呼ばれるバーコードが印字されたシールを巻き付けます。このバーコード情報をもとに行先やフライト便が管理されているため、タグを貼り間違えると違う場所に行ってしまうわけです。

今ではコンピュータ管理されているため、意図的に操作しないとチェックイン時に間違ったタグが貼り付けられる心配はほとんどないようです。

機械の読み取りミスやヒューマンエラー

空港で預けられた荷物の仕分けは機械や手作業で行われますが、正しくタグを読み込めなかったり、複数のタグが付いている場合などは機械が間違った情報を読み込んでしまう恐れがあります。また最終的には人がコンテナへ荷物を積み込んでいるので、空港職員のミスによって違うコンテナに積み込まれてしまう可能性もあります。

乗り継ぎ処理の不備

実はロストバゲージやディレイドバゲージの原因で一番多いと言われているのが、乗り継ぎによるものです。

特に大きい空港で乗り継ぎを行うと、到着した荷物はさまざま行先へ仕分けされなおします。これは非常に複雑な作業なため、どうしても一定の確率でミスが発生してしまうようです。これは大きくて離発着が多いハブ空港ほど発生する確率は高くなると言われています。

また乗り継ぎ時間が非常にタイトだと、荷物の積み込みが間に合わずに次の便へ回される可能性があります。遅延することを「ディレイドバゲージ」と呼び、大きい空港でタイトな乗継便を利用した場合にはよく起こる現象です。 乗り継ぎに時間がなく、走った経験はないでしょうか?人は間に合っても荷物は間に合わないことがあります。

不審物が疑われ、保安検査で引っかかった場合

早めに荷物を預けている場合は、出発までの時間の余裕もあるので、問題なければそのまま積み込まれますが、締め切り時間ギリギリでチェックインをしたり、乗継経由地の保安検査で引っかかったりすると、飛行機に積まれずに遅れる場合があります。

似たようなスーツケースを間違えてほかの人が持っていった

実際にはちゃんと到着空港に荷物が届いたにもかかわらず、スーツケースのデザインがそっくりだったりすると、違う人が間違えて持って行ってしまうケースがあります。似たようなスーツケースが1つだけぽつんと余っていたりしたら要注意ですね。

ロストバゲージとディレイドバゲージの違い

ロストバゲージは完全紛失(行方不明)

ロストバゲージとは、荷物が行方不明になり、見つからなくて紛失扱いになることを言います。通称ロスバケとも呼ばれています。中身は諦めるしかありません。完全に紛失してしまった場合の責任は航空会社にあるため、一定のルールに基づいて賠償されます。時間の経過とともに大半はどこかで見つかるため、完全に紛失されることは稀です。

ディレイドバゲージは荷物の遅延

とりあえず到着空港で荷物が出てこなかったらロストバゲージ扱いになりますが、その後どこかで荷物が見つかって、遅れて届くことをディレイドバゲージと言います。

ほとんど場合はどこかで荷物が見つかるので、ロストバゲージからディレイドバゲージに変化すると言えるでしょう。

遅延する日数ですが、単なる積み込み遅れで、一日に何度も往復便があるような路線であれば、数時間程度で済む場合もあります。しかし、違う国や空港に間違って届いていると、その日中の受け取りは難しいと言えます。

運が良ければ1~2日、場合によっては受け取りまで1週間ほどかかる場合もあります。帰国ならともかく、これから海外旅行を楽しもうという時に荷物がどこかへ行ってしまったら、気分も最悪ですね。

ロストバゲージは航空会社が弁償しなければいけませんが、遅れについては基本的に航空会社の弁償対象外になります。長時間の遅れ(おおむね6時間以上)はある程度は航空会社側も非があるため誠意を尽くしてくれますが、遅れたことに対する損害賠償などの請求はできません。

ロストバゲージの確率

荷物がなくなった(遅れた)という話は、遠いように見えて実はかなり身近なものでもあります。荷物のなくなる確率は国や航空会社によって大きく変わり、少ない航空会社では0.02%もあれば、多い所では2%近くになる場合もあります。

また直行便と乗継便では、乗継便を使うほうが確率が高くなり、乗り継ぎ時間がシビアなほど荷物が遅れたり行方不明になる確率が上がります。

2%とえいば50回行けば1回当たる確率で、往復ならリスクは25分の1です。宝くじなどに比べるとはるかに高い確率ですから、他人事ではないですよね。

ほとんどの場合は後から見つかるケースで、実際にはディレイトバゲージ(荷物遅延)によるものです。完全に荷物が行方不明になる確率は更に低いです。(中には1か月ほど経って見つかったという話もあります)

8~9割の荷物は、たいていすぐに居場所が見つかり1~2日以内(国外へ行っているともう少し)に自分の所に戻ってきます。

到着空港のコンベアから荷物が出てこなかったら

それでは、到着空港の荷物受け取りコンベアから、待てど暮らせど自分の荷物が出てこなかったらどうすればいいでしょうか。

1.空港職員に事情を説明

いくら待ってもコンベアから荷物が出てこなかったら、すぐに近くの係員に事情を説明しましょう。奥を調べてくれたり、ほかのコンベアに荷物が混ざっていないか確認してくれるはずです。大きな国際空港であれば、カウンターがあると思うので、そこへ行って説明してください。

2.書類を作成

職員が荷物を探しても見つからない場合は、空港に到着していない可能性があるので、紛失報告書を作成します。名前や連絡先、パスポートナンバーはもちろん、失くしたバッグの特徴やブランド、中身の詳細なども説明しなければなりません。 外観の特徴は写真などを撮ってあるとスムーズです。

3.一旦空港を離れ、連絡を待つ

処理が終われば、一旦空港を離れます。帰国のときならそのまま自宅へ戻りましょう。海外旅行などで行きの空港の場合は、早く見つかることを祈って、とりあえず予約していたホテルなどに向かいましょう。

見つかった場合は直ちに連絡をいれてもらうように念を押しておきます。特に出先の場合は荷物がないとどうしようもないので、催促電話を1日2回ほどしたほうがいいでしょう。言葉が通じなければホテルの人に代わりに電話してもらうのもいいですね。(チップははずみましょう)

4.発見の連絡が来る

荷物が見つかったら発見の連絡があります。見つかっただけで、その空港にあるかは別問題ですので、その時にどこにあってどういう状態なのかも確認しておきましょう。

5.荷物が届く

空港が近い場合は取に行くこともできますが、自宅であれば宅急便などで送ってくれます。旅先で見つかったら空港へ取りに行きましょう。

海外旅行の行きでロストバゲージしたら

帰りならともかく、これから海外旅行を楽しむ往路(行き)の飛行機でロストバゲージしたら大変ですよね。しかし海外旅行を中止するわけにもいきません。

だいたいロストバゲージの原因は他の飛行機に乗っちゃってるということも多いので、見つかったと連絡があっても、全然違う国であったり、地球の反対側だった・・・ということも。

多くの場合は「○○にありましたので、すぐそちらの空港へ送ります」となり、1.2日で持ち主の所へ戻ってきます。しかし2~3日の短期旅行なら、仮に戻ってきたとしても最終日とか「もう遅いわっ!」と叫びたくなりますね。

貴重品は手荷物として持っていると思うので、困るものと言えば着替えや衛生用品・生活用品などになってきます。男性なら(少々OK)となるでしょうけど、女性なら化粧品や衣類がないとのはとても困りますね。

ロストバゲージの手続きをしたら、事情を航空会社に説明しましょう。「これから海外旅行なんですけど、着替えも何もないのでどうしたらいいですか?」と・・・

航空会社によっては遅れた時間によって基本生活セットを提供してくれる場合もあります。洗面具やシャツなどがセットになったものです。

また見舞金支給される航空会社もありますので、それで身の回りの生活用品を買ってもいいでしょう。

後から航空会社に請求できる可能性があったり、海外旅行保険に加入していると、身の回りのものを買った代金が補償されますので買ったレシートなどは保管しておくようにしてください。

荷物を紛失されないために

空港職員によるミスは不可抗力なのでどうすることもできませんが、自分でも荷物を紛失されないように注意する点がいくつかあります。

古いタグやシールは外しておく

よく以前の飛行機で使ったシールやタグや海外旅行カバンにベタベタ貼ったままにして「俺は海外にこんなに行っているのさ」を勲章のようにアピールしている輩がいますが、古いシールやタグは間違いの元になります。全て外すようにしましょう。勲章はスーツケースのボコボコ度(笑)で判断します。

チェックインカウンターでタグの確認を

チェックインが終わったらその場でタグの確認をします。名前・行先・便名がちゃんと合っているかどうかが重要になります。おかしいなと思ったらその場で聞き直すことも大切です。

目的地に着いたら真っ先に荷物受け取りコンベアへ

目的地の空港に到着したら、まずは預け荷物の受け取りコンベアーに向かいましょう。 出来れば出てくるところ付近でスタンバイしておきます。前で自分の荷物が出てくると同時に自分の荷物を取れば、他の人に間違って持っていかれる心配もありません。

荷物を手に取ったらとりあえずタグを確認

これは相手の荷物を間違って持っていかないかの確認ですが、人の荷物を持って行ってもロストバゲージに変わりはありません。思い込みで持ってしまうかもしれないので、荷物をコンベアから取り出したら、タグの名前が同じか確認しましょう。

判別しやすい荷物にする

例えば旅行カバンに目立つステッカーを貼る、カラフルな色のスーツケースベルトを使うなどして、世界に1つだけのスーツケース(オーバーですが)をコーディネートしましょう。こうすることで相手から間違えて持っていかれることを防ぎます。

最低限の着替えや生活品も手荷物へ入れておく

万一ロストバゲージになっても、とりあえず1~2日は宿泊できる最低限度の旅行は可能なように、着替えや生活品などは手荷物に入れておくと安心ですね。ロストバゲージは突然予測できない時に発生しますから、普段から防衛対策は必要です。

直行便を利用する

乗継便より直行便のほうが荷物を紛失されるリスクは低減します。帰りはともかく、行きはできるだけ直行便を利用するとよいでしょう。

乗継時間がタイトな日程は避ける

例えば到着から次の乗り継ぎが1時間くらいしかないような日程は避けることが大切です。荷物の遅延はもちろんですが、本人が乗り遅れるケースもゼロではありません。乗り換えは余裕をもってスケジュールを立てましょう。

高級品や思い出深いものは手荷物へ

可能性は低いものの、完全にロストバゲージ(行方不明)になるケースもあります。貴重品を預け入れることは少ないと思いますが、思い出の写真やアイテムなど、失くすと困るものは万が一に備えて手荷物に入れておくとよいですね。

海外旅行保険に入っておく

厳密に言うと、どんな理由にせよ荷物の遅れは航空会社の免責になっているため、どれだけ文句を言っても損害賠償などは請求できません。(失くしたロストバゲージは別)こんな時のために海外旅行保険に入っておくとよいでしょう。

飛行機のロストバゲージについてまとめ

  • ロストバゲージの原因は実にさまざま
  • ほとんど場合はディレイドバゲージといって、後から荷物が見つかる
  • コンベアから荷物が出てこなかったらすぐ係員に相談する
  • 往路で荷物がなくなったら、身の回りの品だけでも買う
  • 自分でできる紛失対策もあるので、しっかりと確認しておく

預け荷物の紛失や遅れは他人事のようですが、実はかなり身近に起きています。輸送過程での紛失は防げませんが、自分でも注意できる点も多くあります。いざという時焦らないように、対処法をしっかり確認しておきましょう。