海外旅行で盗難被害に遭わないために

海外旅行で盗難に遭わないためにはどのような点に気をつければよいのでしょうか。
要は簡単で、相手から「盗めそうもないな」と思わせればよいのです。自分はしっかり防御しているというのを見せつけるのが一番の対策といえるでしょう。ここでは、海外旅行で盗難されないためのコツについてご紹介いたします。

後ろのポケットの中には何も入れない

後ろポケットの中には基本的に何も入れてはいけません。日本では若者を中心にズボンのポケットの後ろに、大きな財布をはみ出した状態で入れている人を見かけますが、「どうぞ盗ってください」と言っているようなものです。

そのほか、スマートフォンや携帯電話も後ろのポケットの中に入れないようにしてください。
上着の前ポケットも、あまり入れることはお勧めできません。入れるのであればチャックなどがあるものを選ぶとよいですが、チップ用のお金など盗られてもダメージの少ないものにしておくとよいでしょう。

ブランド物のバッグ・財布は持たない

観光客+ブランド物バッグ=金持ちの旅行客という式が成り立ち、絶好の標的になることは間違いないです。せっかくの海外旅行でブランドもののバッグを持って出かけたい所ですが、できれば安物のバッグの方がよいかと思います。

財布も同じで、大勢の前でブランド物の財布を見せびらかすと「私はお金持ってま~す」と言っているようなものです。こちらも高級な財布は避けたほうが無難です。

バッグはチャックが付いたものを

口がぱっくり開いているバッグや、マグネットで簡単にくっつけるようなタイプの財布は「どうぞ抜き取ってください」とアピールしているようなものです。このようなバッグは数秒で抜き取られるため絶好のカモです。

容易に中身が取り出せるようなハンドバッグは使わない方が賢明です。チャックがついているものを選び、更にその中がチャックになっていれば完璧です。二重チャックになっていれば、容易に抜き取ることができませんので、貴重品などは奥の方に入れておくと効果的です。

リュックは両手が使えて便利だがリスクも高い

リュックは両手が使えて便利なので、海外旅行に持っていく人も多いのですが、後ろに背負うと完全に死角になるため、盗難のリスクが高いとも言えます。

リュックと使うのであれば、必ずチャックで開閉できるものを選び、できればファスナーが2つついているタイプを選び、それぞれをロックできるようにしておきます。ロックされていれば簡単に開けられませんので、かなりの防犯効果が期待できます。南京錠なども使えますが、開けるときに面倒なのがネックです。

それでも、悪質な場合は刃物で切って中身を抜かれることもあるので、100%安心とは言えません。貴重品はウエストポーチなどを併用してリスクを回避するようにしください。

レストランなどの飲食店ではバッグは常に警戒しておく

一般的にレストランでのバッグの置き場所は、背中と背もたれの間に置くか、大きい場合は席の右側の下に置きます。目線に入らなくなると、食事や会話が進むうちにバッグに注意がいかなくなります。ですから常に荷物には注意をしておくことが大切です。

どうしても心配な場合は、小型のワイヤーロックを椅子とバッグの持ち手などと結合させておけば完璧です。ちょっと恥ずかしいですが、盗られるよりはマシです。またはヒモで結んでおいたり、肩ひもを自分の足に引っかけておくだけでも効果抜群です。要は相手から「自分はしっかり防御していますよ」というのをアピールすればいいのです。

人混みの多い繁華街・混雑したバスなども対策を

人混みの多い繁華街や混雑したバス・列車の車内などは、盗まれる可能性が極めて高くなります。バッグごと盗まれることはほとんどないですが、中身を抜き取られる被害が多く報告されています。

バッグは常に目の見える位置へ、リュックは不格好ですが前に背負うようにするといいでしょう。ポケットには前後含めて何も入れないなど、さらにしっかり対策しておくようにします。

列車内では肌身離さず持っておく

ヨーロッパなどの列車内は、盗難の宝庫です。満員電車の人が沢山いる場所で犯行が行われると思っている人も多いですが、実は特急列車など、人が少なくゆっくりできる列車の方が危険です。
座席の下や真上の荷物入れに貴重品を置いておくのは自殺行為と言えますので絶対にやめましょう。

座席の下に置いておくと、後ろの席から手を入れられ、そのまま持っていかれます。真上の荷物入れでも同様で、背の高い犯人なら、後部座席からでも手を伸ばして荷物を簡単に持っていかれます。

貴重品が入ったバッグは常に抱きかかえるようにして持ち、肌身離さず持っているようにすることが大切です。

ハプニング的な出来事があったらまず荷物を

「知らない人が声をかけてきた」・「誰かが目の前でこけた」・「小銭をばらまいた」・「奇声を上げられた」という不意な出来事は、あなたの注意をひきつけるためのワナかもしれません。
100%そうではないにしても、何か注意をそらすような出来事があった場合「やられるかも」という意識をもって、まず荷物や貴重品を守ることが大切です。「なになに~!」と野次馬根性を出さずに、しっかり荷物に注意を払いましょう。

スマートフォンを見せびらかさない

最近海外で横行しているのが、スマートフォンの盗難やひったくりです。景色などをスマートフォンで撮っていたり、操作中に無理やり手からスマートフォンを奪っていかれまることもあります。
無理やり手元から奪われるので、被害者は一瞬何が起こったかわからず、呆然としてしまいます。あっけにとられている内に犯人はそのまま走り去ってしまいますね。

ほとんどの人は恐怖のあまり、しばらく動けないと聞きます。特に機種の新しいiphoneが狙われやすいということです。

人前であまりスマートフォンを使わないことが大切ですが、首から下げられるストラップなどを使うと効果的です。相手から「盗れそうにないな」と思い込ませれば勝ちです。

パスポートや高額の現金・カードはセキュリティポーチへ

特に盗られると困るパスポートや両替用の現金、クレジットカードなどは、そもそもバッグへ入れておくことはおすすめできません。自分の首から下げて、服の内側へ入れておくセキュリティポーチを準備するとよいでしょう。
セキュリティポーチにはパスポートや高額の現金のほか、予備のクレジットカード、航空券の控え、海外旅行保険証券、緊急連絡先の控えなどを入れておきます。

万が一バッグが盗まれた場合でも、本当に重要な物だけは助かりますし、被害が最小限で済む場合もあります。
もしパスポートが盗まれたら、再発行手続きなどで旅行自体を中止する可能性も出てきますから、せっかくの旅行が台無しになります。

セキュリティポーチはとても有用ですので、必ず準備してください。

現金やカードは複数個所に保管する

リスクの軽減措置としては、貴重品をすべて同じ場所に保管すると、そこを狙われるとそれでおしまいになります。万一盗られてもリスク分散のため、現金は少額ずつそれぞれ違う場所に保管し、カードも財布の中ではなく、他の場所に分けて入れておくようにしましょう。

定期引き落としのあるカードは持っていかない

例えば公共料金など定期的に引き落としているカードを海外旅行に持っていき、不幸にして盗難に遭ってしまうと、そのカードの無効手続きをクレジットカード会社にお願いすることになります。そうすると今のカードは使えなくなるため、そのカードで定期引き落とし契約しているもの(携帯電話・電気ガス水道・ネットの支払いなど)もすべて変更手続きをしなければなりません。

私自身も一度やらかしていますので言いますが、「とっても面倒」です。

できればあまり利用していないクレジットカードを持っていくほうが、後々のことを考えると有利です。

余計なものは財布に入れない・持っていかない

普段日本で使う財布と、海外旅行で使う財布は分けておいたほうがいいですね。日本で使っている財布をそのまま持っていくと、銀行のキャッシュカード、ポイントカード、電子マネー、免許証など海外ではほとんど使わないようなものを一緒に持ってきてしまいますよね。
もし盗られるとそれらのカードの再発行もしなければいけないので、日本へ帰ってからも面倒になります。

日本で使っている財布をそのまま持っていくなら、使わないものは事前に日本へ置いておくのが基本です。

海外旅行で盗難被害に遭わないために

  • 犯人から「盗みにくい」と思わせるのが重要
  • 常に自分はガードしているというのをアピールする
  • ブランド物のバッグや財布は避ける
  • スマートフォンは注意して使う
  • 本当に重要なものはセキュリティポーチへ
  • 複数個所に貴重品を保管することでリスク分散
  • 余計なものはもっていかない

犯人も、必ず盗みやすいかそうでないか、ターゲットを見極めます。「あれは無理だ!ガードが堅い」と思わせることが大切です。いざ盗まれてしまうと楽しい海外旅行が一転してしまいますので、普段から荷物の防犯には気をつけるようにしてください。