格安航空券を買うときの注意点

飛行機のチケットを手軽な価格で買うことができる格安航空券。名前もしっかり浸透して、現在では多くの人が格安航空券を探してチケットを購入しているのではないでしょうか。確かに格安航空券は安く入手ができ、海外旅行が行きやすくなりましたが、注意点やデメリットもあります。 ここでは格安航空券を買って失敗しないためのアドバイスをご紹介いたします。

格安航空券は旅行会社用のバラ売りチケット

格安航空券というものは最初からあったわけではなく、1990年代以前は個人で飛行機のチケットを買うには正規運賃の航空券か正規割引の航空券を買うしか道がなく、敷居が高い存在でした。

一方で、旅行会社などには団体旅行ツアー用などに航空会社が安いチケットを卸しており、海外旅行のツアーなどに申し込むと比較的手ごろな価格で海外旅行に行けていたのも事実です。

1990年代になると、海外旅行ツアーで余った航空券を一般向けに販売する動きが高まり、旅行会社用のチケットを個人へバラ売りするようになってきました。これが「格安航空券」と呼ばれるもので、正規航空券と比べると大幅に割引されているのが特徴です。

格安航空券が登場する前は、安い値段で自由に航空券を買うことができず、海外旅行に行くには団体ツアーなどに参加するしかなかったのですが、チケットだけ購入することができるようになってからは個人の海外旅行が身近になったとも言えますね。

しかし、もともとは旅行会社のツアー用の安いチケットなので、さまざなまデメリットも存在します。それを知らずに「ただ安いから」と安易に飛びつくと失敗することもあるので注意しましょう。

格安航空券は日程が変えられないものが多い

格安航空券はもとは団体ツアー用のチケットであるため、基本的に日程が変えられないものが多いのが特徴です。つまり行きと帰りの日と便を決定したら、何があってもその便に乗らなければならないという縛りがあります。

後から「ちょっとこの日が用事が出来たので、日付を変えよう」と思っても変更ができません。無理やり変えるなら、一旦キャンセル扱い(もちろん払い戻しはできないので、払った代金はパー)にして、新たに航空券を買う必要があります。このように日程がカッチリ決まっている格安航空券のことをFIX(フィックス)航空券とも言います。

逆に後から日程を変えることができる(といっても復路だけ)格安航空券もあり、一般的には所定の手数料を払えば帰りの便だけ変更できるチケットもあります。このようなチケットをOPENチケット、またはFIX/OPENチケットと言います。OPENやFIX/OPENチケットは日程を変えられるので、いざというとき便利ですが、FIXチケットに比べるとやや価格が高いのがネックと言えます。

格安航空券を買う前に、買うチケットがどんな種類のチケットかを十分確認して、キャンセルや日程変更をする際のリスクなどを把握するようにしてください。

格安航空券はシーズンとオフシーズンの価格変動幅が大きい

格安航空券の割引率はフライトの時間や季節によって大きく変動します。正規航空券の90%割引などになっているとても安いチケットもあれば、割引率が50%程度とあまり安くなっていないものもあります。

格安航空券はツアー用チケットなので、旅行会社のツアー料金が高くなる週末など(目的によっては平日)は値段が高くなりますし、観光客が多く訪れるようなハイシーズンであれば、その目的地へのチケット代は高くなります。ですから、お盆やゴールデンウイークなどはたくさんの人が海外旅行で飛行機に乗るので、格安航空券といえどもそれほど安くないのが現実ですね。下手をすると航空会社が販売している正規割引航空券よりも高くなるという逆転現象が起きる可能性もあります。

一方オフシーズンや人気のない時間帯の便では、かなり安いチケットがあることも多いので、連休を避けたりすれば、お買い得なチケットも多いことは確かです。「値段がやけに高いなあ」と思ったら、すぐ飛びつかずにいろんな航空会社のチケットなどと比べてみるといいですね。

格安航空券はマイルが貯まらない(貯まりにくい)

格安航空券のお客さんと言えば、言い方が悪いですが、要は一番下っ端のお客さんです。飛行機に乗ってしまえばサービスや食事などで区別されることはありませんが、見えない部分の待遇面が変わってきます。

その1つのマイルの貯まり方があります。格安航空券はマイルが貯まりにくくなっており、距離の50%程度が相場です。しかし航空券によっては0%と、全くマイル加算がないものもあるので、せっかくマイルカードがあっても格安航空券ではほとんど貯まらないのも現状ですね。価格もそれだけ安いので、それほど特典も付かないと思ってもらえばいいでしょう。

乗り遅れた場合の情状酌量措置がない場合も

道路が渋滞したり、寝坊したりして遅刻してしまい、予約していた飛行機に乗れなかった場合は大変ですよね。
格安航空券を買った場合でも、過失による乗り遅れに対しては各航空会社の寛大な措置により乗せてもらえることが多いです。ほとんどのケースでは次の便に乗せてもらえたという話を聞きます。しかし稀に海外の航空会社などでは、「もうだめです、新しく航空券を買ってください」と言われたケースもあるようですので過信は禁物。

特に後からの変更が利かないFIXチケットを購入した方は、乗り遅れないように注意してください。

格安航空券を買う前にここだけはチェック

上記のことを十分に注意したうえで、もう一度おさらいの意味を兼ねてチェックしてみましょう。

確実にその日程で旅行ができるかどうか

「後で日程変えるかも」という不安が少しでもあれば、格安航空券の購入を控えるか、日程が変えられるOPENチケットを購入しましょう。

大型連休やお盆などの繁忙期かどうか

格安航空券はオンシーズンにはとても高くなる傾向にあります。相場はありますがあまりにも高い場合は、航空会社の正規割引航空券と比べてみてください。

マイルを貯めているかどうか

マイルをしっかり貯めたい方は、購入の前にマイル加算がどれくらいなのか確認してみましょう。安くて飛びつくとマイルが0%ということも ありますが、マイルが付くからと言って何万円も高いチケットを買うのも本末転倒です。マイルを貯めた方が得か、1円でも安いチケットを買った方が得かチェックしましょう。

格安航空券を買うときの注意点まとめ

  • 格安航空券は団体ツアー用のチケットを個人にバラ売りしたもの
  • 格安航空券は安さと引き換えにさまざまな制約がある
  • 格安航空券は後から日程を変えられないものが多い
  • 格安航空券は価格の変動差が激しい
  • 格安航空券はマイルが貯まりにくい
  • 乗り遅れた場合は最悪キャンセル扱いになることもある

安くて海外旅行がとても身近になった格安航空券ですが、安い故にさまざまなデメリットも存在します。格安航空券の特性を知ったうえで購入できれば最高ですので、用途や予算と上手に相談しながら購入してください。