海外旅行先でホテルを利用する私たちはもちろんお客です。しかしお客だからと何をしてもいいというわけではありません。近年では中国人観光客などのマナーが悪いと記事になることもありますが、私たちも他人事ではありません。海外旅行ではちょっといいホテルに泊まることもあると思いますが、特にグレードの高いホテルであればあるほど、立ち振る舞いや過ごし方には少し注意する必要があります。ここでは、海外旅行先のホテルでのマナーや注意点などをご紹介いたします。
ホテルに応じた振る舞いが大切
ホテルにもグレードやこだわりがあります。一流と呼ばれる高級ホテルであれば、私たち宿泊客もそれなりの身なりや振る舞い、エチケットなどが必要になります。
逆にグレードの低いホテルであれば、それほど身なりやマナーにこだわる必要もありません。(と言いましても最低限の振る舞いは必要になりますが…)
ですから、せっかくの海外旅行だからといって、奮発してやたらグレードの高いホテルを選ぶと、かえって気を遣いすぎて疲れることも考えられます。自分の部屋の中ではどんな格好をしても構いませんが、通路やロビー、レストランなどのホテル内施設を利用する場合は、服装や振る舞いに注意しましょう。
特に欧米の格式が高いホテルに泊まる場合は要注意。中国などアジア系のホテルの場合は、それほど気を遣う必要はありません。
高級ホテルのチェックイン時のマナー
5つ星グレードの高級ホテルなどに泊まる場合、チェックインの時から服装や振る舞いに気を付ける必要があります。
ラフな格好でホテルに入らない
高級ホテルともなると、入ったときから身なりを見られます。スーツや高い服でなくても構いませんが、だらしない服装やラフな格好はNG、それなりの服装をしていきましょう。
荷物を自分で運ばない
海外の高級ホテルともなると、必ずベルボーイが待ち構えています。日本人は自分で荷物を運ぼうとしてしまいがちですが、スーツケースや大きいカバンはスタッフに運んでもらいましょう。チップは忘れないように。
ホテルの施設内でのマナー
ロビー・通路・レストランやバーなどの共用施設でのマナーについてチェックしてみましょう。部屋に入ってからはラフな格好に着替えてゆっくりしても構いませんが、部屋の外(ホテル共用スペース)に出るときは、身だしなみや振る舞いに気を付けましょう。
だらしない格好でウロウロしない
ここでも大切なのは服装です。高級ホテルの共用スペースで、Tシャツに短パン、ジーンズ、サンダルでウロウロしていたら、他の客から見ても「なんて格好をしているんだ?」とみられてしまいます。夜間であってもバスローブにスリッパで部屋の外へ出るのは控えるようにしてください。日本の温泉旅館に泊まっているような感覚で部屋の外に出ないように。
大声で騒いだり、大人数でのワイワイ会話は控える
大人数になると、ついつい会話も弾んでしまうもの。しかし、ロビーなどではできるだけ会話は静かに行い、大声で騒ぐことのないようにしましょう。これは日本でも言えることですが、たとえ部屋の中であっても、深夜に騒ぐのは控えてください。
レストランではドレスコードがある可能性もあり
高級ホテルのレストランでは、より服装が重視されます。ドレスコードとは服装制限のことで、基準を満たした服装(一般的にはフォーマルな格好)をしないと入場できません。
よほど格式が高い高級レストランでない限り、タキシードや営業マンが接待や商談に行くような格好をする必要はありませんが。ジャケットにズボンくらいは必要な場合があります。せっかく高級料理を予約したのに、服装制限で入れなかったという声も聞かれますし、とりあえずお店には入れてくれたけれど、隅の方の変な席に案内されたなど、服装によっては差別されることもあります。服装については十分チェックしておきましょう。
エレベーターはレディファーストと謙虚な気持ちで
エレベーターを待つときは、真ん中に陣取るのではなく、すこし離れて待つことが大切。女性が待っている時は先に乗ってもらい、降りるときはよほど混んでいない限り、自分から我先に降りるのはマナー違反です。「プリーズ」と手で合図して、女性を先に送り出してあげるようにしてください。
ホテルの部屋の中でのマナー
客室は入ってしまえばプライベート空間ではありますが、何をしてもよいというわけではありません。近隣の部屋に迷惑をかけないような行動は心がけてください。
深夜には騒がない
これは海外だけでなく日本国内でも言えることですが、深夜に大声で騒いだり音を立てたりしないようにしましょう。遅くても深夜0時には静かにすることを心がけてください。
深夜はテレビやシャワーの音も控えめに
深夜帯はテレビの音を小さくするマナーを守りましょう。またシャワーの音なども周りの部屋にかなり響きます。深夜帯のシャワーは控えたり、早く済ますなどして周りに配慮しましょう。
ドアの開閉は静かに
出入り口のドアの開閉音は通路に響き渡ります。特に深夜帯は静かに開け閉めするようにしてください。
部屋に飲食物を持ち込まない
基本的に飲食物の部屋への持ち込みはNGです。日本ではコンビニなどで買ったものを部屋で食べている人も多いと思いますが、食中毒など何かあったときに補償できないため、部屋での飲食を禁止しているホテルが大半です。特にグレードの高いホテルほど持ち込みに関しては厳しいので、飲食は部屋外かルームサービスを利用しましょう。
ルームサービスで食べ終わった物にはナプキンを
食事をルームサービスで頼んだ後、一般的には外にワゴンを出しておきます。食べ終わった汚い食器はナプキンをかけて目隠ししておきましょう。
使い終わったバスローブやタオルはまとめてバスルームへ
使用済みのバスローブやタオルなどをあちこちに置いておくと、片づける人にとっては大変です。使い終わった物はまとめてバスタブなどへ入れておきましょう。
簡単な整理整頓は行っておく
ゴミをあちこちに放置したり、備品を乱雑に置いておくのは、いくらキーパーが掃除や整理をしてくれるとはいえ、あまり良いとは言えません。ゴミはゴミ箱へ入れ、備品はある程度整理しておき、ベッドのシーツは整えておくなど、最低限の整理整頓はしておきましょう。
外に洗濯物を干さない
日本のホテルや旅館では、外のスペースやベランダに洗濯物を干すこともあると思いますが、海外では景観などトラブルの元になります。洗濯物は外に干さないようにしましょう。
ビュッフェスタイルのレストランのマナー
ホテル内に併設されているレストランは、ビュッフェスタイルのタイプも多く、食べたいものや量を選ぶことができますので、とても気軽に食べられるとは思います。
しかし日本の一般的な食べ放題と混同しがちになるので注意しましょう。日本のバイキングや食べ放題なら肉や野菜など、順序など関係なく好きなものを好きなだけ盛ってテーブルに持っていくかと思いますが。海外のレストランではビュッフェと言えども基本的な食べる順序は守らなければなりません。
海外のビュッフェ=日本の食べ放題スタイル ではない
食べる順序としては・・・
- 前菜
- サラダ
- スープ
- メイン(肉や魚など)
- デザート
- コーヒーなど
ざっと上記のような順序で料理を取っていきます。ですからいきなり肉料理を取りに行ったり、前菜とメインを一緒に盛ってテーブルに持ち帰るのもマナー違反です。最初に前菜を取って一度テーブルに持ち帰り、食べ終わってからサラダを取に行って・・・を繰り返して最後に行くわけです。 ですから、ペース配分を調整しながら食べるようにしてください。
もちろん使用済みの皿で料理を取りにいくのはマナー違反、その都度新しい皿に盛りつけるようにしましょう。 食べきれない量をアホほど盛り付けて、食べずに残すのは絶対にしてはいけません。
チップはスマートに渡せるように
チップ文化のない日本人にとって最大の難関は、誰にいつ、どれくらいの金額のチップを渡すのかということでしょう。チップは従業員の小遣いではなく、彼らに支払うサービス料になりますので、「もったいない」「図々しい」などと考えないように、正当な報酬として渡すことが大切です。
また財布からチップ銭を探してもたもたしているのはスマートではありません。チップ用の小額紙幣(1~2ドル札がよい)を別に束ねておき、サッと渡せるようにしておきます。
どんなケースでどれくらいのチップを渡すかなんて、慣れないと分かりません。海外旅行では覚える前に終わってしまいますので、とにかくホテルのスタッフに何かしてもらったら1~2ドルのチップを渡しておきましょう。
※チップを渡す文化はその国によってさまざまですので、不要な場合もあります。
海外旅行先のホテルでのマナーや注意点まとめ
- ホテルのグレードの応じた振る舞いや身なりが大切
- 高級ホテルだとかえって窮屈に感じてしまう場合もある
- ホテルの部屋以外は公共の場だと思って行動すること
- 客室内であっても最低限のマナーは必要
- チップ用の小銭も多めに準備しておく
- ビュッフェスタイルのレストランでも一定のルールに沿った食事を
このように高級ホテルであればあるほど、身だしなみや立ち振る舞いが大切です。また旅館感覚で、部屋着やバスローブで客室外をウロウロするのもやめましょう。これらは海外だけでなく、日本のホテルとしても基本的なマナーが多いので、普段から気をつけていれば問題ないかと思います。上記を参考に恥をかかないようにしておいてくださいね。