飛行機内での赤ちゃん(小さいお子様)の耳抜き対策

飛行機での赤ちゃんの耳抜き

飛行機で離陸したり着陸したりする際、耳がキーンとなったり、シュポシュポしたり違和感を感じたことはないですか?これは気圧が急激に変化することににより、耳の中と外気の圧力に差が出ることによっておこります。これを解消するには、耳抜きが必要になりますが、理解できない赤ちゃんにとってはとても不快になり、泣き続けてしまうこともあるようです。
ここでは、赤ちゃんが上手に耳抜きができるコツやテクニックなどをご紹介いたします。

耳抜きをするタイミング

耳が詰まったり変な感じになるのは、急激な気圧の変化が起こることが原因です。飛行機が離陸して高度が上がるにつれて中の気圧は少しずつ低くなります。最終的には0.8気圧(高度約2000mくらいにいる感じ)まで下がります。
時間をかけてゆっくりと気圧が変われば問題ありませんが、飛行機の中では15~30分くらいで気圧が一気に変わるため、耳の中と外での気圧差が生じて違和感が発生するようになります。これを解消するには耳抜きをして、耳の中と外の気圧差をなくすようにしなければなりません。

飛行機の減圧と耳抜き

耳抜きをするタイミングとしては、離陸から水平飛行に入るまでの間約30分と、目的地が近づき、飛行機が高度を下げはじめてから着陸するまでの約30分間です。一旦水平飛行すれば目的地が近づくまで気圧はほとんど変化しませんので、耳がキーンと痛くなるのは、離陸直後と着陸前ということになります。

赤ちゃんに耳抜きをさせるには

大人であれば耳に違和感があっても唾や飲み物を飲んだり、飴をなめたりすることで耳抜きが行われて、違和感や痛みを軽減することができます。しかし、赤ちゃんは意図的に自分で唾を飲んだりできませんので、強制的に何か飲み込む行為をしてもらえば、自動的に耳抜きが行われます。

離陸時⇒安定飛行、安定飛行⇒着陸時、これらの約30分は急激な気圧の変化が起きますので、このタイミングで耳抜きを行います。具体的な耳抜きの方法としては以下のようなものがあります。

授乳・水分を飲ませる

気圧が変わり始めて、パパママ自身も違和感を感じたら、赤ちゃんにおっぱいやミルクをあげます。ミルクでなくても少量の湯冷ましや飲料でも構いません。お湯が必要な場合は離陸前に客室乗務員に頼むとよいでしょう。

おしゃぶりをしゃぶってもらう

おしゃぶりが得意な赤ちゃんなら、おしゃぶりをしゃぶってもらうだけでも、同様の効果があります。

飴・お菓子を食べさせる(少し大きいお子様向け)

1~2歳くらいのお子様になれば、お菓子などを食べさせても効果があります。3歳くらいで飴がなめられる年齢であれば、飴をあげてもよいでしょう。飴や食べ物は強制的に飲み込む行為を繰り返しますので、耳抜きが上手にできます。

離陸より着陸時の方が耳への負担が大きい

離陸すると飛行機の中の気圧が下がりますが、耳の中の圧力は高いままなので、膨らんだ空気が自然と外へ抜けやすくなるため、離陸時はそれほど耳に負担はかかりません。
逆に着陸時は、膨張した空気が縮もうとするため、耳の中は真空状態のようになります。耳の中の空気は排出しやすい反面、入りにくい構造になっているため着陸時の方が耳への負担は大きくなり、耳抜きをしっかりしてあげる必要があります。

着陸前は特に違和感を覚えることが多くなりますので、離陸時よりも着陸時の耳抜きをしっかりとしてあげるようにしてください。

赤ちゃんを飛行機に乗せると耳の異常が発生するって本当?

よく、「幼い子供を飛行機に乗せると、気圧の変化に耐えられずに耳に異常が出る」という記事を見たことはないですか?
難聴になったり、中耳炎になったり、鼓膜に異常ができて一生治らない・・・ なんてことを聞くとハラハラして飛行機に乗せられないですよね。しかしこれって本当のことなんでしょうか?

確かにリスクがゼロというわけではありません。しかしそれは赤ちゃんだけに限らず、子供や大人でも一定のリスクがあるわけです。

飛行機に乗って起きやすい耳の病気では航空性中耳炎という病気があり、急激な気圧の変化により耳抜きがしっかりできず、痛くなったり違和感が続いたりして病院へ行かなければならないケースはあります。これは「赤ちゃんだから」というわけではなく、体質的なものもありますので、それほど耳の異常についてはピリピリする必要はないと思います。

逆に赤ちゃんは耳の中の気圧を保つ器官がまだ発達していないので、そもそも航空性中耳炎にはならないとも言われています。どちらにしても重大なリスクが発生するのであれば、赤ちゃんが飛行機自体に乗れないような法律になるでしょうし、中耳炎よりも風邪やウイルスに対する脅威のほうがよほど高いとも言えますね。

飛行機を降りてからもずっと泣きっぱなしであったり、耳の穴から臭いがしたり、ドロッとしたものが出てきたら中耳炎の可能性もあるので、すぐに耳鼻科などに行くようにしましょう。フライト後は赤ちゃんの様子に変化がないかよくチェックしておきましょう。

飛行機内での赤ちゃん(小さいお子様)の耳抜き対策まとめ

  • 耳抜きをするタイミングは離陸後30分と着陸前30分の2回
  • おっぱいやミルク・おしゃぶり・食べ物などで耳抜きができる
  • 離陸時よりも着陸前の耳抜きをしっかりと
  • 耳の異常に対してはそれほどピリピリする必要なし
  • 飛行機を降りてからずっとぐずっていたり、耳に異常がある場合は病院へ

離陸時と着陸前それぞれ30分が気圧の変化が大きくなる時間帯で、耳が痛くなりやすくなります。赤ちゃんは痛いと訴えられませんので、この時間帯を中心にしっかり耳抜きをしてあげましょう。飲み込む行為で耳抜きが上手にできますので、飲み物をや食べ物を与えて赤ちゃんに耳抜きをしてあげてください。