ビザ(査証)の役割

パスポートは身分証明書である一方、ビザ(査証)は、その国に入国するための入国許可証のことを言います。

一般的にパスポートだけあれば海外に行けると勘違いしている方も多いですが、本来はビザ(査証)というものが必要なのです。しかし、日本人はビザなしで行ける国が多いため、ビザ自体どんなものか知らない方もいらっしゃるようです。ここではビザ(査証)の仕組みについてご紹介いたします。

ビザ(査証)は入国許可証のこと

本来であれば海外へ行くため(厳密には違う国に入国するとき)には、パスポートのほかにビザと呼ばれるものが必要になります。パスポートは単なる身分証明書で、外国へ入国することはできません。

行きたい国の政府が発行する入国許可証と呼ばれるビザを入手し、パスポートとビザをセットにして初めてその国へ行くことができるのです。

しかしアメリカやヨーロッパ、アジアなどへ海外旅行へ行っても、ビザなんて一度も発行してもらったことがない・・・という方も多いのではないでしょうか。

ビザというのは、行きたい国の政府(大使館や領事館)で手続きを行う必要があり、とても面倒です。海外旅行者のためにいちいちビザを発行していては、お役所も仕事が大変ですよね。

そこで、日本とその国の政府同士が取り決めを作り、旅行目的で短期間の場合は、ビザなしでもその国に行けるルールが制定されました。日本人は世界からみると比較的安全な人として認知されているので、2019年現在、ノービザで行ける国は190か国に及び、これはかなり多いです。

逆に日本へノービザで入国できる国は少なく、例えば日本人はノービザで中国へ行くことができますが、中国人はノービザで日本へ入ることはできません。

このように海外旅行程度の短期滞在であれば、日本人は190か国以上の国へノービザ(パスポートのみ)で行くことができるため、ビザの存在自体を知らない人も多いようです。

ノービザで滞在できる期間は

いくら日本人がビザ不要で外国へ行けるとはいえ、永久に滞在できるわけではありません。国によって滞在できる期間が決まっています。

ほとんどの国が90日までの滞在であればビザなしでOK。長い国になると、カナダなどが6ヶ月滞在可能、短い国になると中国で15日までなどとなっています。国によって例外もありますので、渡航先のビザなし条件をよく確認しておいてください。

海外旅行であれば、90日を超えるような状況は滅多にないと思いますのでそれほど気にする必要はないと思いますが、中国など極端に短い国もありますので注意してください。

ビザを申請する場合

日本人が海外へノービザで行ける条件は、観光・商用・親族知人訪問に限られています。留学や就業などで滞在する場合は日数に関係なく別途ビザが必要になります。

ここは初心者海外旅行者向けのサイトですので、詳しい内容は省略させてもらいますが、ビザの種類はたくさんあり、渡航目的や期間によって価格や条件も変わってきます。

一般的にはその国の大使館や領事館でビザの申請を行いますが、旅行代理店などでも代行申請を行ってくれる所もありますので、相談してみるとよいでしょう。

ビザが発行されると上の写真のようにパスポートに貼り付けられます。(写真は中国ビザ)

海外でオーバーステイしないように

オーバーステイとは、ノービザで滞在できる期間を超えてしまうこと言い、「不法滞在」に当たります。

よく警察24時などのテレビ番組を見ていると、日本に不法滞在している外国人を逮捕して、強制送還しているシーンを見ることもありますが、あれと同じことが海外旅行中に発生する可能性があります。

滞在免除期間ギリギリでスケジュールを立ててしまうと、何かトラブルがあって帰国が遅れたりするとオーバーステイになる可能性があります。
オーバーステイになると別室へ連れていかれていろいろ質問を受けたり、多額の罰金を払わなければならなかったり、次回その国に入国できなかったりとさまざまな問題が出てきます。

天候不良や災害などで日程や飛行機が遅延した場合などは、情状酌量措置もあるようですが、それでもオーバーステイは立派な入国管理法違反になってしまいます。スケジュールは余裕を持たせておき、帰国が遅れてもオーバーステイとならないような計画を立てておきましょう。

ビザ(査証)の役割まとめ

  • 本来は外国へ入国する際にはパスポートとは別にビザ(査証)が必要
  • 日本人は約190か国へビザなしで一定期間の滞在が可能
  • オーバーステイにならないように日程には余裕をもって
  • 観光や商談・親族訪問以外の理由で海外に行く場合はビザが必要

このように私たちが海外旅行に行くような人気国であれば、ビザ不要で行くことができます。しかし長期の滞在や留学、就職などの理由で海外へ行く場合はビザが必要になります。上記を参考にビザの役割と仕組みを理解しておきましょう。