海外旅行のホテルでのチップの渡し方

海外旅行の滞在先として無くてはならいのがホテルですよね。

しかし海外のホテルではチップを渡す機会も多く、どのようなケースでチップを渡したらいいのか困っている方も多いのではないでしょうか。ここでは海外のホテルで働くスタッフの種類や、どんなタイミングでチップを渡せばよいかを勉強しておきましょう。

ホテルで働く従業員の名称

まずホテルでのチップの話の前に、ホテルで働いている従業員の名称、あなたはどこまでわかりますか?

よく「ベルボーイに1ドル渡す」や「ドアマンに○○を頼んだ場合・・・」とか言われても、「ベルボーイ、ドアマン・・・なんじゃそりゃ?」と思ってしまいますね。まずはホテルで働く従業員の名称を覚えましょう。

ベルボーイ BELL BOY

ベルマンやベルパーソンと呼ばれることもありますが、ベルボーイは宿泊客の荷物運搬、客室への案内などをしてくれます。規模の小さなホテルだと、ポーターとページボーイの両方の役割を兼務することも。チェックインの際など何かと一番お世話になるスタッフですね。

ドアマン DOOR MAN

ドアマンはホテルの入口付近に常駐しており、お客様が通るとドアを開けてくれる業務がメインですが、出迎えや見送り、車の誘導など業務は多岐にわたります。お客様がホテルに訪れて最初に会うのがドアマンなので、地味ながら第一印象がとても大事と言われる仕事です。他にはタクシーを呼びに行ったり、ホテルのガードマン的な役割も果たしています。

ポーター PORTER

ポーターは宿泊客の荷物を運ぶ人のことを言います。チェックイン時はお客様の荷物を預かって部屋へ運び、必要ならチェックアウト時は客室まで荷物を取りに伺い、フロントまで運んでくれます。ベルボーイは客室の案内もしますが、ポーターは荷物を運ぶのが専門です。 しかしホテルの規模によっては、ベルボーイ・ドアマン・ポーター・ページボーイを兼務するスタッフもいます。

ページボーイ PAGE BOY

ヨーロッパの大型ホテルに見られる従業員で、主に客室の案内をします。同じく規模の小さいホテルでは、ベルボーイやドアマンの業務を兼務する場合もあり、これらを含めてベルスタッフと呼ばれています。

フロント FRONT

ホテルのロビーに位置し、宿泊客のチェックインやチェックアウト、予約や電話対応など「ホテルの顔」になる部署です。

キャッシャー CASHIER

宿泊料金の支払い、両替などを行う従業員のことを言います。ホテルの規模が小さい場合はフロント業務と兼ねている場合もあります。

コンシェルジュ CONCIERGE

コンシェルジュは宿泊客のアドバイザーのような業務を行います。設備の案内をしたりするのはもちろん、劇場やレストランの予約、航空券の予約の再確認など、観光地の案内などさまざまな宿泊客の手助けをしてくれます。規模が小さいホテルだとフロントが対応してくれるところもあります。

ウエイター・ウエイトレス WAITER・WAITRESS

ホテル内のレストラン、カフェ、ラウンジなどで接客を行います。メニューの説明、オーダー、食事の配膳や下げたりするのが仕事です。

ハウスキーパー HOUSE KEEPER

ハウスキーパーは客室係の意味、日本ではルームメイドやルームボーイとも呼ばれ、客室の清掃や備品の維持管理などを行う仕事です。宿泊客と会ったり話したりする機会はほとんどありませんが、縁の下の力持ちのような存在です。

以上がホテルの中で働くチップが必要な従業員です。

チップの渡し方1(ホテル到着から部屋まで)

それでは実際に時間軸を追いながら、チップの渡し方をチェックしていきましょう。 まずはホテルに到着してから、部屋に入るまでについて確認したいと思います。

ホテルに到着

ホテルに到着すると、すぐにベルボーイやポーターがやってきます。(小さいホテルの場合は出てこないこともある)スーツケースなど大きな荷物は係員に渡しましょう。

大きなホテルでは、ドアマンがすぐやってくる場合があります。ドアマンはタクシーやバスから荷物を降ろし、ベルボーイやポーターがやってくるまで待機します。

ドアマンがやってきてバスやタクシーから荷物を降ろしてくれた時点でチップの支払いが発生します。チップは何かをしてもらった時の別れ際に渡すと一番スムーズですから、ベルボーイが来て荷物を引き継いだら、ドアマンと別れ際にチップを渡しましょう。

チェックインから部屋まで

荷物を係員に渡したら、フロントまで移動してチェックインを済ませます。フロントの係員にチップは必要ありません。チェックインが終わるとそのまま荷物を渡した係員が部屋まで荷物を持って案内してくれます。部屋に案内され、一通りの説明が終わったらベルボーイにチップを渡します。

ホテルに到着して部屋まで、1人の係員が全部やってくれるのならチップは1回で済みますが、複数の係員が関与してくると、その分何度もチップを払う必要があります。大きい高級ホテルほど分担が細分化されているため、係員が変わりそうになったら、その都度チップを渡しましょう。

チップの渡し方2(ホテル滞在中)

続いてホテルに滞在中におけるチップの支払うシーンです。特にこちらからお願いしない限り、チップを払うシーンというのは少ないのですが、念のため確認しておいてください。

外出する際は?

ホテル滞在中ちょっと出かける際、メインエントランスにはドアマンがいます。出入り口を通るたびにドアを開けてくれますが、この場合ってチップがいるのでしょうか?

これには「不要・必要」と賛否両論出ているようですが、単にドアを開けてもらうくらいなら笑顔でサンキューと言えばよいかと思います。その都度払ってたら大変ですよね。

しかし、タクシーを拾ってもらったり、何かお手伝いしてもらった場合は支払うようにしてください。どうもそういうのが苦手で・・・と気の弱い方は、メインではなくサブの出入り口を使うとよいでしょう。

ルームサービスを頼んだら

ルームサービスを頼んだら、相場程度のチップを部屋まで運んでくれたウエイターに支払います。ホテルによってはサービス料が込みになっている場合もあり、その時は基本的に不要ですが、少額のチップを渡しておけばお互いに笑顔になります。

ベッドメイキング時

ハウスキーパー用に毎朝チップを置いておきます。まくらの下に置いておくという常識が日本人の中にはあるようですが、それは古いスタイルで、今はテーブルなど目立つ場所に置いておくのが基本です。

レストランやカフェを利用したら

ホテル併設のレストランやカフェ、バーなどを利用する場合、一般的なレストランと同じで、食事代金の何パーセントかを上乗せして支払います。

何か質問したりお願いしたりする場合

大きなホテルにはコンシェルジュが常駐しており、質問に答えてくればり、さまざな手配や予約、確認などをしてくれます。そこで何かお願いをしたり手配をしてもらった場合は、チップを支払います。即答できるような質問(例えばトイレどこ?チェックアウトは何時?など)は、基本的にチップは不要です。

コンシェルジュがいない場合は、フロントへお願いするわけですが、同様に面倒なお願いを頼んだ場合はチップを支払うようにしましょう。

チップの渡し方3(チェックアウト)

部屋を出てフロントでチェックアウト

最終日の朝はベッドメイキングのピローチップが必要かどうかですが、これも「置く・置かない」が二極化しています。置かなくても追いかけてくることはありませんが、「気持ちよく使えました、ありがとう」というお礼の意味も込めて置いてもよいかと思います。

荷物は自分で部屋から持ってフロントまで行きます。フロントでチェックアウトを済ませ、ドアマンが荷物を外まで運んでくれて、タクシーなどに荷物を積んでくれた場合は、最後にそこでチップを払います。

チェックアウト後荷物を預かってもらう場合

チェックアウトした後、スーツケースが邪魔で一時的に荷物を預かってもらう場合は、基本的にチップは必要ありません。手続きだけして半券をもらいます。最後に預けた荷物を取りに行く際は、持ってきてくれた係員にチップを渡します。

ホテルで上手にチップが渡せるコツ

少額紙幣は別保管

海外では不特定多数の前で財布を大っぴらに見せるのは防犯上よくありません。またチップを渡すのにいちいち財布を出していてはもたもたしますし、スマートではありませんよね。チップ用の小銭や少額紙幣は別でポケットに入れておくなどして、サッと取り出せるようにしておきます。

チップは余った小銭で渡さない

例えば1ドルのチップを渡すとき、10セントコインを10枚や25セントコインを4枚など、小銭でチップを渡すのは大変失礼に当たります。「余っているお金をくれてやる」という意味にとられるからです。

チップは小銭で渡さないようにし、小銭がたくさんある場合はホテルのフロントなどで少額紙幣に両替してもらいましょう。

ピローチップは毎日置く

ピローチップとはベッドメインキングをしてくれるハウスキーパーのために渡すチップです。連泊する場合、最終日にまとめて置く人もいるようですが、ずっと同じ担当者が清掃するとは限りません。ピローチップは毎日置くようにしましょう。

グレードの高いホテルほどチップの相場も高めに

グレードの高いホテルでは、接客サービスの質もワンランク上になることは言うまでもありません。ホテルのグレードによって渡すチップの金額も違ってきますので、場違いな金額を渡さないように注意しましょう。

金額に自信がなければ、相場よりも少し多めにチップを渡す

どれくらいの金額を渡せばよいかわからず、自信がないと思っている方は、相場より少し多めに渡しておけばよいでしょう。勿体ないとは思わず、多めに渡しておけば滞在時においても気持ちよく過ごせるでしょう。

海外旅行のホテルでのチップの渡し方まとめ

  • ホテルではさまざまな役割の従業員が働いている
  • チップは何かをしてもらったとき、離れ際に渡すとスマート
  • チップは1人1人に個別に渡す
  • ルームキーパーへのピローチップも忘れずに
  • 少額紙幣は別保管し、余った小銭でチップを渡さないように

海外旅行でチップを払う場面で多いのは、ドアマン・ポーター・ベルボーイ・ハウスキーパーの4つだと思います。それ以外はこちらから何かのお願いをしない限り支払う必要はありません。アメリカなどでは半義務化されていますので、支払い忘れのないように注意してください。