乗り継ぎで免税品を没収される?

よく「乗り継ぎ空港で、免税店で買ったお酒や化粧品を没収された!」という話を聞きます。にわかに信じがたい話ですが、実は本当の話です。
では、なぜ乗り継ぎ空港でそのようなケースがおきてしまうのでしょうか。ここでは乗り継ぎ地で没収されてしまう理由や、免税品を買うための注意点をご紹介いたします。

没収される理由は「液体」にある

飛行機に乗るとき「液体を持ち込んではいけない」という話、聞いたことはあるかと思いますし、何度も飛行機に乗っている人ならすぐわかることかと思います。

これはテロや事故防止のために、2007年より大量の液体は機内に持ち込めないようになりました。

それはジュースであっても、化粧水であっても、ただの水でも規制がかかり、少量を持ち込む場合は100ml以以下の容器に入れなければなりません。(それも数本程度)

しかし、出国手続きと安全検査が終わった後ならば、空港の待合ロビー内にあるお店でジュースや水などの液体を買うことができます。もちろん空港ロビーのお店には危ない液体は売ってないので、売店で買ったものはそのまま飛行機に持ち込んでもよいというわけですね。

待合ロビーには免税店もたくさんあり、お酒や化粧品なども買うことができます。直行便の場合は、出発地の空港で買った液体ものを飛行機に持ち込んでも、到着するのは目的地の空港ですから、そのまま荷物を持って入国検査を受けるだけです。

ところが、乗り継ぎの場合は経由空港で一旦手荷物を持って降りなければなりません。そこでもう一度手荷物検査が待っているわけですが、この手荷物検査では液体を持ち込めないことになっているので、トラブルになるわけです。

酒や化粧品など、とにかく100ml以上の液体を持っていると、理由がどうであろうと安全検査に引っかかってしまいます。

なぜ乗り継ぎなのに手荷物検査でひっかかるのか?

なぜ自分は乗り継ぎ客で、出発地の空港でしっかり手荷物検査をされたのに、もう一度手荷物検査をしなければならないのでしょうか?これはその国のルールが適用されているためで、たとえ乗り継ぎであっても、そこから初めて乗るお客さんと同じように手荷物検査を受けなければならないからなのです。

ここで問題になってくるのが、本当に免税店で買ったものかどうかを保証する術がないということです。「出発したの国(空港)の免税店で買ったものだ!」と言っても、その国の職員は聞いてくれません。その国とっては液体の出どころはどうでもよく、単に「安全上液体はいかなる理由があっても持ち込めません」というだけです。

没収というよりは、「持ち込めないので、捨てるか買った場所で返品するかどちらかにしてください」と言われます。もちろん前の空港に戻ることはできないので、捨てるしかないわけですね。

液体の免税品を没収されないためにはどうすればよい

液体は最後の乗り継ぎ地の免税店で買う

例えば、パリから仁川(韓国)を経由して日本へ戻ってくる場合、パリの免税店で液体を買うと韓国の手荷物検査で没収されます。ですから最後の乗り継ぎ地である韓国に到着した後、そこの免税店で買っておけば、次は日本に到着ですから没収されずに済みますね。

このように最後の経由地の免税店で液体などのお土産を買えば問題ありません。しかし、品ぞろえが豊富なパリの免税店でどうしても買いたい、というのであれば、パリから日本へ直行便の飛行機を選ぶしかありませんね。

直行便を選ぶ

乗り継ぎにしてしまうと、乗り継ぎ地の最後の免税店でしかお酒や化粧品などの液体は買えなくなります。しかし乗り継ぎ地の空港の規模が小さかったり、免税店がしょぼかったりすると思ったような免税品がなかったりしますよね。

現地の空港の免税品を買いたい、または出発時に日本の免税店を利用してお酒や香水、化粧品などを買いたい場合は直行便を選ぶようにしてください。

別々の航空会社を選ぶ

乗り継ぎを別々の航空会社を選ぶと、基本的に乗り継ぎ空港でも一旦預け荷物を受け取らなければなりません。一方で同一の航空会社を選ぶと「スルーチェックイン」というサービスがあるため、出発空港で荷物を預けてしまえば、最終到着空港で荷物を受け取ることができます。

これがクセモノで、同一の航空会社の場合は乗り継ぎ空港で荷物を再度受け取ったり預けたりする必要がない分、最初の免税店で買った荷物を乗り継ぎ空港で預け荷物に入れることができなくなります。

別々の航空会社を選べば、乗り継ぎ空港で一度預け荷物を受け取れるので、あらかじめ出発空港で買った液体免税品などをスーツケースの中などに入れて再度預けてしまえば、ひっかかる心配がないですね。

乗り継ぎでも没収されない特例もある

ヨーロッパでは開封しないのを条件に購入が可能な場合も

ヨーロッパ(EU)圏内であれば、乗り継ぎ便であっても最初の空港の免税店で液体の免税品を買えるケースがあります。

例えば、ロンドンからフランクフルトを経由して日本へ帰るような場合では、ロンドン⇒フランクフルトは同じEU圏内ですので、特別なルールが適用されます

到着地まで開封をしないというのを条件とし、ロンドンの免税店で買った液体を透明の袋に入れてパッキングしてくれます。レシートや領収書も袋に貼り付けます。この状態ならフランクフルトの手荷物検査で没収されることはなく、そのまま日本へ持ち帰ることができます。

しかし対応していない航空会社もあるようなので、念のため確認してください。

また逆は認められません。日本で買った免税品をロンドンへ持っていく場合は、間違いなくフランクフルトの手荷物検査で取り上げられます。どうしても日本の免税店でお酒などを買いたい場合は、直行便を選択してください。

乗り継ぎ空港で一旦預け荷物を受け取る場合

乗り継ぎを別々の航空会社で手配する場合や、乗継空港で国内線へ乗り換える場合は、 一旦預け荷物を受け取り、別のチェックインカウンターで預けなおす必要があります。特にアメリカ行きは、一旦アメリカ国内の大きなハブ空港に到着し、国内線に乗り継いで目的地へ行くシステムが多いです。

この場合だと出発空港で買った免税品をスーツケースの中に入れることができますね。再度荷物を預けてから手荷物検査を受ければOKです。自分の乗るルートの預け荷物のルールを確認しておきましょう。

乗り継ぎ時間があまりない場合だと、入れているヒマがないこともあります。乗り継ぎ時間に余裕があるかチェックすることも大切です。

行き先によっては免税店側から「売れない」と言われることも

せっかく買った免税品を乗り継ぎ空港で没収なんて、本当に悔しいですよね。

このようなトラブルを防止するために、お酒・化粧品・香水などを買う場合、お店に航空券を見せるようなシステムになっており、乗り継ぎ便だった場合は、免税店側から「経由地で廃棄しなければならいので売れません」と案内されることもあるようです。

もちろんこれらのシステムも確実ではないので、過度な信用は禁物。例えば「このようなチケットなのですが、没収される可能性はありますか?」と確認したほうがよいでしょう。せっかく高いお酒や化粧品などを買っても、乗り継ぎ地で没収となったら元も子もありませんから。

乗り継ぎで免税品を没収される?まとめ

  • 液体は飛行機の中に持ち込めない
  • 乗り継ぎ空港でも安全検査があるため、ここで液体がひっかかる
  • 液体免税品を買うときは直行便を利用するとよい
  • 最後の乗り継ぎ地で液体免税品を買うとよい
  • ヨーロッパではEU圏内に限り特例が適用される場合もある
  • 乗り継ぎ地で別々の航空会社を選べば、一旦荷物の中にいれることができる

直行便の場合は全く問題ないので、心行くまで出発空港で免税品を買ってください。乗り継ぎがある場合は、さまざまなケースが考えれますので、安易に出発地の免税店で液体を買うのは避けましょう。その場合は最終経由地の免税店を利用するようにしてください。