海外旅行でスマートフォン・携帯電話を使う際の注意点

海外旅行にご自分のスマートフォンや携帯電話を持っていく人も多いと思います。近年では翻訳アプリなども実用で十分通用しますし、海外からSNSを発信したり、日本にいる人とやり取りしたりする人も多いのではないでしょうか。しかし、不安になるのが料金や設定関係ですね、ここでは海外旅行でご自分のスマートフォンや携帯電話を使う方法についてご紹介いたします。

海外でスマートフォンや携帯電話はそのまま使える?

日本国内で使っているスマートフォンや携帯電話を海外で使えるかどうかはお手持ちの機種が海外の通信方式に対応しているかどうかと、契約している通信会社の「国際ローミング」が使用できるかどうかで決まります。

現在日本で発売されているスマートフォンや携帯電話の大半は、海外の通信方式にも対応しているため、海外でも使用することができます。また、大手キャリア(ドコモ・ソフトバンク・AU)で契約されている場合は、国際ローミング機能がついているため、そのまま使うことができます。

格安通信会社のスマホやSIMは要注意

大手キャリアとは別に、格安通信会社(ワイモバイル・楽天モバイル・UQモバイルなど)でスマートフォンの契約や、SIMの契約をしてSIMフリースマホで使用している人は、その通信会社ごとに契約がまちまちです。

ほとんどの格安SIM会社でも国際ローミングが使用可能

ほとんどの格安SIM会社では、国際ローミングサービスが使用可能となっていることが多く、海外到着後に自動的に切り替わるものもあれば、アプリ側で操作して切り替える方法などがあります。

通話とSMSのみで、データ通信は基本的に不可

ここが格安通信会社と大手キャリアの大きな違いと言えますが、格安通信会社の国際ローミングは通話とSMSのみで、データ通信が一切できないというのがネック。つまりLINEやFacebookをしたり、googleマップの閲覧やインターネットに接続することができません。

格安通信会社の契約では、海外ローミングは通話とショートメールのみなので、緊急連絡用には使えますが、データ通信が一切できないので、自由度が大きく制限されます。

海外では通話料・パケット通信料が非常に高額になる

「国際ローミング」とは、海外の通信会社のネットワークをお借りしている状態になるため、契約している通信会社の料金プランとは異なり、別途通信料を支払う必要があります。

通話料は1分当たり100~200円(地域によって異なる)、かかってきた電話を受けるだけでもかけるときと同じくらい高額な通話料がかかります。ショートメールも1通あたり100円程度必要です。

大手キャリアでは通話やショートメールはもちろん、データ通信も可能になりますが、その通信料はとても高いのがネック。例えばアメリカでは1パケット当たり0.2円程度料金がかかりますので、動作を1回するごとに、以下のような料金がかかります。

・文字だけEメールの送受信:5パケット⇒1円
・小さな画像の入ったメールの送受信:800パケット⇒160円
・音楽1曲ダウンロード(約3.9MB):32,000パケット⇒6,400円
・動画サイトで1時間再生(約220MB):1,800,000パケット⇒360,000円

特にデータ容量の大きい画像や動画を取り扱うと、データ量が大きくなります。何気なしにyoutubeを1時間見ていたら…、ぞっとする金額ですね。

便利なアプリをダウンロードしたり、ちょっとネットで検索したりしても、かなりのパケット量が使われます。

日本でもパケットの量に制限があるプランがありますが、例えば月額2GBのプランをパケット量に換算すると1,678万パケットになります。ちなみにアメリカで2GBもパケット通信をしようものなら、通信料だけでいい車が一台買えてしまいますね。

大手キャリア会社なら、定額プランを選択しよう

このような超高額請求を回避するために、大手の通信会社では海外で安心してデータ通信ができるように定額プランを用意しています。

海外パケット定額プラン

海外定額プランは、無制限でデータ通信を海外で行える安心のプランです。料金は1日あたり1,980円~2,980円の2段階になっており( 約25MB(20万パケット前後)までは1,980円、それ超えると最大料金は2,980円となる)、データ通信に制限なく使うことができます。呼び名は以下のように異なりますが、サービス内容はほぼ同じです。

注意点としては「1日の料金」というのを覚えておきましょう。4日間の旅行で目一杯パケット通信をすれば2,980×4=11,920円の通信料がかかります。また日本時間を基準に24時間(1日)をカウントしますので、海外での開始と終了のタイミング次第で「2日扱い」となってしまうことがあります。

日本のデータ通信量は全く手をつけませんので、仮に海外で10GBを使用しても、自身が契約しているデータ量の残りが減る心配ははありません。(そのため高い通信量を別途払っている)

LINEやSNS、インターネット閲覧、動画の再生など、海外でもガッツリ通信を楽しみたい人はこのプランに加入するとよいでしょう。

海外パケットオプションプラン

現在NTTドコモとAUのみサービスを行っているプランで、1日当たり980円で海外パケット通信が可能になります。

海外パケット定額プランとの大きな違いは、自分の契約しているデータ量(ギガ)から差し引かれるということ。自身が契約しているデータ量プランが3GBであった場合、日本と海外含めて3GBのデータ量を使いきってしまわないように注意する必要があります。

NTTドコモでは、長期海外旅行でも割安になるように、3・5・7日プランがあるほか、1時間200円で集中して使えるなど豊富なプランが魅力。

契約しているデータ通信量を上手に使いながら安く海外でデータ通信ができるため、バランスの取れたおすすめのプランと言えます。

海外に着いたら、何か設定をしないといけないの?

大手キャリアの場合、高額なパケット通信代の発生を予防するため、現地に到着すると自動的に「海外パケット定額プラン」に移行されます。

自分のタイミングでパケット通信をONにしたい場合は、海外に着く前に「データローミング」や「ローミング」をOFFにし、必要に応じてONに切り替えましょう。

海外パケット定額プランは、ほとんどの地域をカバーしていますが、稀に対象外の地域も存在するため、出発前に海外パケット定額プランの対象地域がどうかは必ずチェックしておきましょう。

従量課金になっている地域では、本当にとんでもない金額を請求される場合がありますので、使用にはくれぐれも注意しましょう。ちょっとgoogleマップを見るだけでも数千円かかります。

海外パケットオプションプランは、事前に申し込みが必要であったり、現地に着いてからブラウザやアプリを立ち上げて開始を行う必要があります。

格安スマホなら海外SIMカードを購入するのもおすすめ

格安SIMや格安スマホは、海外でデータ通信ができない仕様になっており、お手持ちのスマホが海外で使えない(通話とSMSのみ)という事態になってしまいます。

ただ、キャリアと違ってスマートフォン自体がSIMフリーになっているため、違うSIMカードを入れれば使えてしまうのが強み。そのため海外で使えるプリペイドSIMカードを購入するという選択肢があります。大手通販サイトなどで購入できますので、チェックしてみましょう。

プリペイドSIMはその国に特化したものや、世界全国で使えるものなどさまざまです。日数や使える容量が決まっており、通信料をかなり安く抑えることができます。

ただしSIMカードを入れ替えてしまうため、海外旅行中は自分の携帯電話番号が一時的に使えない(LINEなどのアプリで連絡は取れる)などのデメリットも存在します。プロファイル設定などが必要な場合もあるため、少々スマートフォンの操作に詳しい人向けとも言えるでしょう。

通信料を安く抑えるなら海外レンタルWiFiもある

お手持ちのスマートフォンを使って通信料を安く抑えるのなら、海外レンタルWiFiサービスを利用する方法もあります。

1日数百円のレンタル代金で何ギガもの大容量のプランなどがあり、中長期的な旅行はもちろん、少しでも通信料を安く抑えたい人向けです。手続きや契約、端末の受け取りや返却などが面倒で、盗難や紛失などもリスクも高いといったデメリットもあります。

海外でデータ通信を使用しない場合は必ず設定をOFFに

通話のローミングサービスは、こちらから電話をかけたり受けたりしない限り通信料は発生しませんが、データ通信はOFFにしておかないと、知らないうちに勝手に通信を始めてしまいます。無駄なパケット通信をさせないために、必要がなければデータ通信をOFFにしましょう。

iphoneでは設定からモバイルデータ通信をオフに、アンドロイドでは本体設定やその他の設定からモバイルネットワーク設定を選び、データ通信のチェックを外すことでWiFi以外のデータ通信をOFFにできます。

OFFにするとパケット通信が行われません。電話以外の機能はアップデートされなくなるので、SNSの更新状況や、新しいメールの受信、アプリも使えなくなります。

フリーのWiFiスポットを積極的に利用する

海外でも空港やレストラン、ホテルなどではフリーでWiFiを使えるスポットも多くあります。ここでは完全に無料で使うことができますので、無料で通信ができる場所は積極的に利用しましょう。

結局どれがおすすめ?

大手キャリアで契約しており、数日程度の海外旅行であれば海外定額か海外パケットオプションを選ぶとよいでしょう。

格安スマホ、格安SIMを契約している場合は海外旅行の使い捨てSIMやレンタルWiFiを申し込むとよいでしょう。

海外で通話やデータ通信は行わず、面倒なことは心配という人は、出国と同時に電源を切っておき、帰国で電源を入れれば、海外では一切通信は行われません。

海外旅行でスマートフォン・携帯電話を使う際の注意点まとめ

  • 現在のスマートフォンや携帯電話の大半は海外で使用可能
  • 大手キャリアのスマートフォンであれば、ほとんどの国でそのまま使用できる
  • 格安スマホや格安SIMは通話とSMSのみ海外で使用可能
  • 海外では通話料やパケット通信料が非常に高額
  • 大手キャリアでは定額パケットプランなどが充実している
  • プリペイドSIMやレンタルWiFiという選択肢もあり
  • 通信代を抑えるなら電源OFFとフリーWiFi積極的に利用